第五十一話 暴力の代償その二
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「あの人はそうした人っぽいわね」
「言ってることちゃんとしてるでしょ」
「理知的でね」
「あの人も暴力受けてきたそうだし」
「部活で」
「あの人は先輩からが多かったみたいだけれど」
「暴力受けてたのね」
留奈もそれでと納得した。
「それでそう言われてるのね」
「そうよ、それで暴力を否定してるのよ」
「いい考えね」
「暴力は本当に卑怯よ」
「自分より弱い人にしか振るわないから」
「そんなものは持たないことで」
母は娘にさらに話した。
「振るう様な人とはね」
「一緒にならないことね」
「そうよ」
絶対にという返事だった。
「見極めないとね」
「顔がいいとかじゃないのね」
「お顔がよくてもよ」
「暴力振るうなら」
「それだけで最低だから」
人間として、というのだ。
「だからね」
「そんな人とは一緒にならないで」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「近寄ることもよ」
「しないことね」
「自分が何かされたら駄目でしょ」
「そうなったら手遅れね」
「そういうことよ」
まさにというのだ。
「それで自分もよ」
「暴力は振るわないことね」
「自分がやられたら嫌でしょ」
母は娘に問うた。
「あんたにしても」
「好きな人いないでしょ」
そもそもとだ、留奈は母に答えた。
「変な趣味の人でないと」
「そう思うならよ」
「自分もなのね」
「暴力を振るわない」
決してというのだ。
「そうすることよ」
「自分で気をつけることね」
「暴力は悪いことでね」
「したらいけないわね」
「そして悪いことをしたら」
母は留奈にさらに話した。
「何時か自分に返って来るわよ」
「因果応報よね」
「そうよ、悪人は絶対によ」
「報いを受けるのね」
「そういうのあんたも見て来たでしょ」
「そうね、悪いことしてる奴は」
留奈はこれまでの人生の経験から話した、高校一年生になるまでのその人生も決して軽いものではないということをここで実感もした。
「絶対によ」
「報い受けるでしょ」
「悪事がばれて怒られるか」
「嫌われるかね」
「それか天罰じゃないかってね」
その様にというのだ。
「思うことがあったりするわ」
「そういうものよ」
「悪いことをしたらなのね」
「絶対によ」
「報いを受けるのね」
「友達を裏切った人が後で裏切られるとか」
そうしたこともというのだ。
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