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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第9話 不吉な事件
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『そうなんだ………』
「かなり驚いたよ、みんなの前で思わず動揺しちゃったし………」
八神家での食事の後、家に帰り、ある人物に電話を掛ける。
『でも零治って違う世界でヴィヴィオに会ったんでしょ?』
「だけど今日会ったのは3歳児頃のヴィヴィオだぞ?流石に驚くだろう………」
『まあね、俺もその場に居たら同じ反応だったかも………』
「なあ神崎、どう思う?」
『どう思うも何もそれこそあまり気にしなくて良いんじゃないか?スカリエッティは零治と仲が良いし、彼以外ゆりかごを使う事を思うつく人なんて居ないだろうし………』
「………まあ1人を覗いてな」
『クレイン博士の事?彼はバリアアーマーの開発に付きっきりでそんな暇は無いと思うけど………』
「バリアアーマーか………あれって結局どうなったんだ?」
『一応配備部隊は決定して後は量産するだけみたい。先ずは陸中心で成果があれば空戦専用のバリアアーマーも開発して展開していく予定だって聞いている』
「これじゃあ魔装少女リリカルなのはだな!!」
『完全に別アニメだよね………』
バリアアーマーか………
自分の発想で生まれた物であるが故に何か事件が起きたら罪悪感を感じそうだな………
「まあいいや。なのはの直ぐ近くに居るって事はそこまで気にしなくてもいいだろ」
『俺はむしろそっちが気になるよ。こんな早い時期にヴィヴィオと一緒に居るって普通の人間じゃ起きない事でしょ?そう考えると………』
「俺達と同じ転生者って事か?」
『零治、神様と話出来ないの?』
「願いを全部叶えてもらってからはさっぱりだ」
『だよね………ちょっと俺も調べてみるよ。やっぱり重要なだけに気を付けなきゃいけないし』
「頼むな。………それとあまり加奈に好き放題されるなよ?」
『………頑張る』
そう返事を聞いて電話を切った。
「頑張るって………既に手遅れって事か………浮気でもしたら半殺しにされそうだな………」
正式に付き合うと言われたのは去年の冬。
まあ元々付き合っている様な関係にはなっていたので驚きは無かったのだが、兄としては神崎のストレスが心配である。
「しかしヴィヴィオの面倒を見ているのって一体………」
新暦73年7月………
「大悟、何してるのよ?」
「ちょっと調べもの」
7月の夜の武装隊隊舎のオフィス。パソコン型の端末で調べものをしていた大悟に後ろから声を掛ける加奈。
その両手には2つのマグカップがあった。
「はい」
「ありがとう」
「で、内容は?」
「6月の中頃、零治がヴィヴィオを見つけてね」
「ヴィヴィオ?………確か聖王のクローンの女の子だっけ?」
「正解。本当なら後1年か2年後に現れる筈だったんだけど………
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