第三話 巫女その四
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「わいは別に戦うつもりやない」
「そうなのか」
「わいはお前に話をしに来たんや」
「話だと」
「そや、おひいさんに言われてな」
「おひいさん?」
「お前前に詰襟の兄ちゃんとやり合ったやろ」
空汰はこのことも話した。
「そやったろ」
「あいつか」
玳透のことを思い出して応えた。
「覚えているが」
「あのぼんと一緒でや」
「仲間か」
「仲間って言ったらそやな」
空汰も否定しなかった。
「とはいってもわいは天の龍の一人やが」
「天の龍だと」
「そや、詳しい話は聞いてるか?」
「知らないと言えばどうする」
「それを話すわ」
こう神威に話した。
「その為にもや」
「今からか」
「時間欲しいけどな、そや名乗っておくわ」
空汰はここで自分がまだ名乗っていないことを思い出して言った。
「わいは有洙川空汰、高野山におった」
「和歌山のか」
「そや、それでや」
「今はか」
「ここにおるんや」
「その天の龍としてか」
「そや、それでや」
空汰は話そうとした、だが。
神威は無視して彼の横を通り過ぎた、空汰はその彼に戸惑い顔を向けて声をかけた。
「おい、話すんやが」
「聞くつもりはない」
顔も向けず言葉を返した。
「全くな」
「そう言うけどな」
「俺に関わるな」
こう言うばかりだった。
「いいな」
「しかし運命はな」
「知ったことか」
空汰の方を見ずに言った。
「そんなこともな」
「しかしこの話はな」
空汰はその神威にさらに言った。
「自分にとって大事やぞ」
「関係ない」
自分にはとだ、神威はまたこう言った。
「俺に関わるな」
「おい、そう言うけれどな」
「何度も言わせるな」
激しい拒絶を出してだった。
神威はその場を後にした、空汰も流石にこれ以上は言えず丁の前に帰るしかなかった。そうして丁に報告するが。
丁は目を閉じてだ、こう言った。
「仕方ないです」
「ええんですか」
「はい、そう簡単に来る様なことはです」
「ないですか」
「そうした人ということはです」
まさにと言うのだった。
「わかっていますので」
「それで、ですか」
「またです」
申し訳なさそうにいる空汰に述べた。
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