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第三話 巫女その一

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                第三話  巫女
 八頭司颯姫はその場に案内されそうしてくれた庚に言った。
「これからはなのね」
「ええ、ここで貴女の好きなことをしていいわ」
「好きなだけ」
「そうよ、そうしたらね」
 庚は颯姫に微笑んで話した。
「貴女の仕事になるから」
「そうなのね」
「パートナーも用意してるわ」 
 目の前も無数の機械の管を持つ座乗し頭にも装置を備え身体全体で用いる形のコンピューターを指差して話した。
「ビーストというわ」
「ビースト、獣ね」
「貴女に従う獣よ」
「獣、いえ違うわ」
 颯姫は庚にクールは声で答えた。
「彼は」
「じゃあ何かしら」
「友達よ」
 それだというのだ。
「言うならね」
「貴女の友達はコンピューターだったわね」
「ずっとそうだったから」
「あの子もなのね」
「ええ、ビーストは友達になるわ」
 こう庚に話した。
「今から。そしてね」
「これからも」
「私の友達よ。ただ」
 颯姫は庚に顔を向けて話した。
「ここで暮らしていいことはわかったけれど」
「何かしら」
「学校は暫く休学ね」
「世界が滅ぶのだから」
 庚は笑って応えた。
「今は休学でもよ」
「もう行かなくていいのね」
「ええ、貴女には必要なものかしら」
 学校はというのだ。
「果たして」
「只の時間潰しの場所だったわ」
 颯姫は庚に答えた。
「面白くも楽しくもない」
「何もない」
「ただ大勢の人がいるだけの」
「貴女から見ればね」
「家と同じだったわ」
 こちらもというのだ。
「家でもね」
「ご両親は健在ね」
「ええ、ただ私を天才と言って」
「褒めるだけね」
「それで私の好きな様にさせてくれるけれど」
「それだけね」
「只の人達よ」
 両親達もというのだ。
「何も感じないわ」
「そうね、けれどね」
「それがなのね」
「そうしたこととはね」
 学校や家からというのだ、彼女が何も感じない。
「もう永遠によ」
「離れられるのね」
「そうなるわ」
「わかったわ。ではね」
「これよりお願いするわね」
「地の龍の一人として働くわ」
「有り難いわ。これで二人目ね」
 庚は腕を組んで楽し気に笑って述べた。
「仲間は」
「私が最初ではないのね」
「やあ、はじめまして」
 機械の多い部屋にだ、遊人は入ってきて右手を上げて挨拶をしてきた。
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