人の着替えの場所なんて分かるわけない
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ハルト》へ投げつける。
本来自分の汗が染みついたタオルを、女子中学生の体で感じる。
「……何この超上級者プレイ」
「ハルトさん! いいから早く着替えよう! 私が着替えさせるから、目を瞑っていてね!」
「……分かったよ」
可奈美は目を瞑り、バンザイと両腕を上げた。
「……今、二十歳近くの男性が目を瞑っている女子中学生を着替えさせているっていう言い逃れできない絵面か……」
「ハルトさん今日なんか変態チックじゃない?」
「たまにはそういうことを言いたい時だってあるよ」
「サイテー」
ハルトは「よし」と手を叩いた。
「もう目を開けていいよ」
「……うん」
私服となった可奈美は、自らの体を見下ろした。
白と黒のバランスが整った服装。
可奈美が数回ストレッチをしたところで、ハルトは声をかける。
「ねえねえ! 速く行こう! 朝の鍛錬!」
「朝食も取ってないのに?」
「だって……ハルトさん、黙ってたでしょ?」
可奈美は可奈美へ顔を近づけた。
「黙ってたって何を?」
「ハルトさん、実は味覚オンチだったんだね! 昨日のプレーンシュガーとか、晩御飯とか、ほとんど味感じなかったよ!」
「……! あ……ああ……ごめん、先に行っておくべきだったね」
可奈美は逡巡して、逆にハルトの肩を回して外に促す。
「ほらほら、ランニング行くんでしょ? 早く行こう!」
「ハルトさん? いきなりどうしたの? さっきまでやりたがってなかったのに! むしろ誘ったの私の方だよ!」
「いいからいいから!」
可奈美はそれ以上ハルトが何かを口走らせることなく、ラビットハウスの一回に降りて行った。
見滝原公園。
見滝原と呼ばれるこの街の中心部にあるその場所は、ハルトも可奈美も、頻繁に訪れる場所だった。
だが今日、見滝原公園から見える景色には、見覚えのないものが一つ。
噴水広場から見えるはずの、巨大な見滝原中央駅。特徴的な巨大な建物が、工事中となっていたのだ。
「……」
ハルトのペースに合わせ、息を吐きながらじっとそれを見つめている。
「気になる?」
前を走るハルトもまた、同じ方向を見ながら尋ねた。
「……まあね。流石に、見滝原の中心地が前回の戦場になったからね……」
前回の戦場。
邪神イリスと呼ばれる最強の敵と、ウルトラマントレギアという因縁の敵。
その二つの敵と戦い、ハルトたちが辛くも勝利した地。
「だんだん、どこもかしこも聖杯戦争が色濃くなって
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