TURN50 セーシェル星域にてその三
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「マレー辺りで。よくてもインドで終わると」
「そう予想されていましたか」
「しかし。まさか」
「そうですね。皆さん頑張って下さいました」
それ故だと答える日本だった。
「そのお蔭で、です」
「ここまで来られたというのですか」
「戦力はこちらが圧倒的に不利でした」
今から戦うオフランス軍はともかくガメリカに中帝国、そしてエイリスだ。連合のこの三国を一度に相手にしてはだったのだ。
「しかし。それを何とかです」
「皆さんの力があってですか」
「そのそれぞれの力が一つになり」
そしてだというのだ。
「ここまでこれました」
「そうですか」
「エルミーさんもです」
日本はエルミーの顔も見て言う。
「頑張って下さいましたから」
「いえ、私はその様な」
「そうではありません。エルミーさんと潜水艦艦隊は大きな力です」
日本だけではない。誰もがそう感じていることだ。
「どれだけ大きな力になったか」
「そうであればいいですが」
「そのエルミーさんのお力もあり」
さらに言う日本だった。
「私達はここまで来られたのです」
「私もまた、ですか」
「そうです。誰かの力が欠けていても」
ここまで来られなかったというのだ。
「本当にそう思います」
「ドクツとは違いますね」
エルミーは日本の話を聞きながら自身が絶対の忠誠と敬愛を誓う少女のことを思い浮かべた。あの彼女のことを。
「我がドクツは総統閣下がおられます」
「レーティア=アドルフ総統ですね」
「あの方が全てを導かれています」
「素晴らしい方だと聞いています」
「はい、まさに天才です」
エルミーは顔を上気させていた。目も輝いている。そのうえでの言葉だった。
「内政、財政、福祉、軍事、技術。あらゆる分野でドクツを立て直されました」
「僅か二年で」
「今やドクツは強国です。あの何もかもが失われた国がです」
「そうですね。まさに快挙です」
「我がドクツには総統がおられます」
エルミーは今はここにいない敬愛の対象をその目に見ながら話していく。
「あの方がおられれば」
「ドクツは敗れませんか」
「必ず勝ちます」
こう言うのだった。
「欧州のことはお任せ下さい」
「では我々は我々で」
「オフランスの次はいよいよですね」
「はい、ガメリカです」
遂に目下最大最強の敵との本格的な戦争になるというのだ。
「ハワイに攻め込みます」
「そうなりますね」
「その際デーニッツさんにもです」
「お任せ下さい。必ずやハワイでも勝ちましょう」
「ハワイはガメリカ軍最大の基地であり」
それにだった。
「かなりの戦力が集中しています」
「そこに我々の主力が攻め込むのですね」
「それでも戦力はですね」
「ガメリカ軍の方が上で
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