第二百七十八話 神との戦いその七
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「そなた達は神に勝てた、そしてだ」
「そして、何だ」
「そなた達は試練を乗り越えた」
「試練か」
「察しているな、余は確かに悪意に満ちている」
クトゥルフは英雄に自分のことも話した。
「常に悪意と破壊への渇望をだ」
「心に持っているな」
「それが余でありだ」
そうしてというのだ。
「俗にラグクラフトの神話と言われるだ」
「その系統の神々だな」
「そうだ、我等は善神ではない」
「悪神だな」
「邪神とも言う」
まさにというのだ。
「我等はな、だがそうした感情に満ちていてもだ」
「悪意と破壊への渇望だな」
「しかしだ」
それでもとだ、神は英雄にさらに話した。
「この世界の一部を司っていることもだ」
「事実か」
「その為世界への責務もある、世界の危機にはな」
「自分達が破壊せんとしている世界でもか」
「責任がある、責任を果たさずしてだ」
そうせねばというのだ。
「神ではない」
「それはわかったけれどな」
それでもとだ、久志はクトゥルフに問うた。
「あんたは今試練と言ったな」
「如何にも」
その通りだとだ、クトゥルフは久志の問いに答えた。
「まさにな」
「その試練って何だよ」
神に怪訝な顔になり眉を顰めさせて問うた。
「一体」
「この世界に危機が迫っている」
「それでか」
「この世界はあらゆる神話の神々が集う世界だ」
「そうだな、それは俺もわかるさ」
まさにとだ、久志はクトゥルフに答えた。神が倒れんとしている中でも語る言葉に嘘がないことも感じ取っていた。
「それでそれぞれの神々が何かを司っているな」
「余は水だ」
「水の邪神だな」
「如何にも」
それになるというのだ。
「余はな」
「それでか」
「世界を破壊せんと常に思っているが」
それでもというのだ。
「責務もある」
「この世界についてか」
「言うならば余以外にこの世界を壊させてはならないとだ」
「考えているか」
「そなた達の考えではそうなる」
「人のか」
「あらゆる神話、教えの神霊達がそれを感じ取ってだ」
そうしてというのだ。
「それは神霊達では防げないことがだ」
「神々がか?」
「言っておく、神は万能ではない」
クトゥルフは久志に答えた。
「余に火は使えぬしな」
「水の神様だからか」
「左様、間違ってもだ」
「火は使えないか」
「そうだ、その危機は人が退けるべきだ」
その様なというのだ。
「そのことがわかった、だが人に危機を退ける力があるか」
「人が退けるものでもか」
「神霊が退けられないがな」
「それでもか」
「人にその力があるか、それを見極めるだ」
「試練だったんだな」
「そうだ、そしてその試練とはだ」
クトゥルフは自身が言
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