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レーヴァティン
第二百七十八話 神との戦いその一

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               第二百七十八話  神との戦い
 重厚かつ禍々しい雰囲気に満ちた扉を開けてだった。
 英雄と久志達は扉の向こう側に入った、そうしてだった。
 扉を閉めた、そのうえでだった。
 前を見るとそこは岩場だった、ごつごつとして撒布系であり。
 所々が濡れていた、英雄は薄暗いその中を見回して言った。
「神殿ではあるがな」
「全然神聖な感じがしないな」
「ああ、神がいるというよりだ」
「自然のままだな」
「原始的な思考の神だからか」
 何故そうかだ、英雄は考えて述べた。
「いる場所もだ」
「こうしてか」
「特にだ」
 これといってというのだ。
「他の神の様な好みは入れず」
「自然のままなんだな」
「おそらくこれまではだ」
 この部屋に入るまではというのだ。
「深き者共いやいかれた信者共がな」
「人のか」
「その連中が造っていた」
「人の感性でな」
「そうしていた、だがここはな」
「クトゥルフの好みがか」
「そのまま残っていてだ」 
 そうしてというのだ。
「自然のままだ」
「そういうことだな」
「おそらく神殿を築いたのもだ」
「信者共だな」
「その筈だ、あの連中も本能が極めて強い」
 そうした者達であることもここでも話した。
「だからな」
「神殿なんか造る連中じゃないな」
「どう考えてもそうだな」
「ああ」
 そうだとだ、久志も答えた。
「あいつ等は」
「それならだ」
「本来は神殿もか」
「クトゥルフは持つつもりはなかった」
「そうだな、じゃあな」
「ここにこそだ」
 英雄は強い声で述べた。
「クトゥルフがいる」
「間違いなくな」
「そうだな、じゃあ前に進むか」
「今からな、気配も感じる」
 これもというのだ。
「そうだな」
「漢字なんてものじゃねえぜ」
 久志は引きつった笑みになった、そのうえでこの言葉を出した。
「もうな」
「嫌になるまでにな」
「とんでもなく禍々しくてな」
 そうしてというのだ。
「邪悪な気をな」
「感じるな」
「ここに満ちてるぜ」
 見ればかなり広い場所だった、天井は見えず左右の果てすらだ。ただ薄暗い中に濡れた岩達が見えるだけだ。
「もうな」
「そうだ、ではこれからな」
「前に進むか」
「そうすればだ」
 間違いなく、そうした言葉だった。
「クトゥルフと会う」
「そうしてな」
「戦うことになる」
「ああ、じゃあな」
「行くぞ」
 英雄は久志だけでなくだった。
 他の仲間達にも声をかけた、それぞれの浮島の合わせて二十六人の者達がだった。
 前に進んでいった、そして暫く歩くとだった。
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