第二百七十話 晴れた時にはその七
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「やっぱりな」
「水に強い種族を前面に出す」
「そうして戦うべきですね」
「やはりそうなりますね」
「そや」
まさにというのだ。
「それでや」
「はい、ここはですね」
「そうした種族に働いてもらう」
「そして活躍してもらいますね」
「そうしてもらうわ、そしてや」
花華が笑ったところでだった。
貝殻の音が鳴った、出ると郭であり郭は花華に言った。
「敵騎兵隊への防衛の陣頭指揮を執ってくれるか」
「私がですね」
「自分はダックでな」
この種族の者でというのだ。
「お水に強いやろ」
「ダックは家鴨から進化してますからね」
「家鴨は水鳥や」
その名前通り鴨を家畜にしたものである。
「そやからな」
「ここはですね」
「自分に行ってもらいたいが」
「わかりました」
一言でだ、花華は答えた。
「ほなこれからです」
「敵騎兵隊が攻めてきてる右翼に向かってな」
「采配を執ります」
「そうしてもらうで、そっちに茅も行くからな」
「あの子魚人でやっぱりお水に強いんで」
「そうしてもらうで」
「はい、それでは」
「頼んだで」
「そうさせてもらいます」
こう話してだった。
花華は右翼に入りそこで茅と共に前線に立って采配を執りだった。
自らも戦った、その攻撃にだった。
この日騎兵隊を率いていた曹は共に騎兵隊を率いている金に言った。
「お水に強い種族が前に出るとな」
「星の人もそういった種族ですし」
「どうしてもな」
「こちらは迂闊に攻められません」
「そうするとな」
「こちらが大きな損害を出します」
「そうなるさかいな」
だからだというのだ。
「ここはな」
「突撃を避けて」
「銃や弓矢それに術にや」
そうしたものを用いてというのだ。
「一撃離脱でや」
「騎兵の機動力も用いて」
「アウトレンジで攻めるで」
「敵の射程外から攻めますか」
「それかぎりぎりの範囲でな」
「一撃離脱で攻めますか」
「カラコールや」
曹は具体的な攻め方を話した。
「騎兵を何十人かで一列横隊にしてな」
「その横隊を縦に幾つも重ねて」
「そして攻撃をさせてな」
「その横隊を最後列に送り」
「次の列がまた攻撃して最後列に行く」
「あの攻撃を仕掛けますね」
「そや、そっちの攻撃に移るで」
こう金に話した。
「ええな」
「はい、今はそれが一番ですね」
金は大雨の先に見える南軍の柵と塹壕それに鉄条網で守られた陣地にいる南軍の軍勢を見て曹の言葉に頷いた。
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