第二百七十話 晴れた時にはその六
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「鷲や烏、雀や鳩の種族もいれば」
「水鳥の人もいるでしね」
「はい」
まさにというのだ。
「これは翼人も同じです」
「水鳥から進化した種族なら」
「翼は水鳥のもので」
「お水にも強いでしね」
「はい、それにゴースト等の種族は雨の影響を受けにくいです」
「実体がなかったりするので」
「そうです、では」
ここはとだ、巴は言った。この日も宙に浮かびそこから魯と共にいて軍師役を務めているが貝殻で郁から注進を受けているのだ。
「ここはです」
「お水に強い種族をですね」
「主力にしましょう」
「わかったでし」
こうしてだった。
北軍は水に強い種族を中心に戦いだした、それを見てだった。
郭は軍師役の張に兎の赤い目を鋭くさせて言った。
「敵は水に強い種族を中心に用いてきたな」
「そうですね」
張も北軍を見て言った、二人も宙に浮かび戦場全体を見ている。
「ここにきて」
「それやとな」
「はい、わっち達もです」
「そうするか」
「元々この世界でも中国の南は北以上に水が多いです」
「長江とその支流に池や湖でな」
「そうですさかい」
それ故にというのだ。
「お水に強い種族の数は北と然程変わらずとも」
「幾分水慣れしてる」
「ですから我々もです」
「そうした種族を主力にするとな」
「むしろ彼等より有利にです」
「戦えるな」
「今騎兵隊の攻撃が激しいですが」
北軍のそれがというのだ。
「そちらに向けましょう」
「それがええな」
「はい、では」
「お水に強い種族は騎兵隊への守りに重点的に向けるで」
「そうしましょう」
「そして隙があれば」
敵軍にとだ、郭はこうも言った。
「その時はな」
「そのお水に強い種族を主力として」
「攻めるで」
「わかりました」
張も頷く、こうして南軍もだった。
水に強い種族を前面に立てる様になった、それを見たダックの花華はまさにその通りと手を打って言った。
「そや、種族にはそれぞれの適性があるんや」
「得手不得手がありますね」
「まさにそれぞれの種族によって」
「左様ですね」
「人間やとバランスが取れてるが」
この世界では人の一種族でしかない、数は人全体の二割程で最も多いがバランスが取れている為万能とも器用貧乏とも言われている。
「それぞれの種族でな」
「特徴があり」
「そして得手不得手がありますね」
「どうしても」
「本人の努力次第でどうにかなっても」
それでもとだ、花華は兵達に話した。
「やっぱりな」
「その特徴をどう用いるか」
「得手不得手を考えて」
「それも大事ですね」
「そや、それでこうした状況やとな」
大雨の中ではというのだ。
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