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夢幻水滸伝
第二百七十話 晴れた時にはその五

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「危ういとこやったわ」
「今ので大抵終わってたがな」
「そうやろな、如意棒のことがわかってるな」
「如意棒は数も増やせて長さも太さも変えられる」
「まさに万能の武器やな」
「そや、この如意棒に勝てるか」
「普通のモンは勝てん」
 羅は施の今の言葉に不敵な笑みで返した。
「今ので終わりや、しかし我もや」
「青龍偃月刀があるな」
「関菩薩の武器や」
 英雄として名高い彼のというのだ。
「それだけにや」
「恐ろしく強いっていうな」
「昨日の勝負でわかってるやろ」
「ああ、存分にな」
「今日も見せる、やったるで」
 こう言ってだ、羅は。
 両手に持っている青龍偃月刀を左斜め下から右斜め上に振り上げた、そうして。
 巨大な気を込めた衝撃波を繰り出した、それで施を攻めた。 
 施はその衝撃波を如意棒で突き相殺してみせた、そうしてから羅に言った。
「今の一撃もな」
「大抵の奴やとやな」
「終わってたわ、かわすこともや」
「出来んかったな」
「そや、昨日といい今日といい」
 施を見据えて不敵な笑みで話した。
「楽しませてくれるな」
「お互いにな、ほなや」
「ああ、今日もな」
「どっちが勝つや」
「白黒つけるか」
「そうしよな」
 こう話してだった。
 二人は一騎打ちに入った、両軍は激しい攻防を繰り返し死傷者もお互いに多く出していた。だが南軍では。
 茅は中央の指揮官の一人として采配を執っていたがそれと共にだった。
 その術で多くの者の傷を回復させ復活もさせていた、白は彼のその動きを見て目を見開いて言った。
「これはまた」
「おら様役に立っているでしょうか」
「充分過ぎるまでに」
 白は年下である茅にも礼儀正しく応えた。
「そうかと」
「それやとええですが」
「ここまで回復の術が得意とは」
「いや、プリーストですさかい」
 この職業だからだとだ、茅は答えた。
「それでです」
「それでもこれは」
「かなりですか」
「お見事。ほな茅君には」
「采配と共にですね」
「将兵の手当てや復活もしてもらいたいです」
「ではそうさせてもらいます」
 白に応えてだった。
 茅は術でも貢献した、戦は続いていた。
 その中でだ、郁は巴に注進した。
「雨の中でし」
「そやからですか」
「蛙人や鰐人、亀人にでし」
「魚人そしてですね」
「僕ちんの様な甲殻人もでし」
「左様ですね、私の様な鳥人でもです」
 巴は郁の言葉を受けて自分のこの世界の種族の話もした。
「水鳥ならです」
「雨でもでしね」
「快適に動けます」
「そうでしね」
「鳥人と言ってもそれぞれで」
 一口にこう括ってもというのだ。
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