やっぱり僕は歌が好き 第十五楽章「付加価値の高騰」
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ー派はギターのボディー部分を突き破る様に刺さり、ギターを首に巻く様にして気絶する。
一瞬……というより、数瞬間があったが、状況に思考が追い付いたブラジャー派が、
「な、何しやがる!?」
と、当然の恫喝をしてくる。
だがまた理解が追い付かなくなるのが、この後の陛下の台詞……
「こっちの台詞だ、馬鹿者ぉ!」
いいえ絶対に向こうの台詞ですわ陛下。
だって二撃目は無用でしたもの!
「僕のギターが壊れちゃっただろ!」
「え……? た、確かに……? い、いや……そ、それはお前が!」
ブラジャー派は混乱している。
一撃目は向こうが突然襲いかかってきたから、咄嗟に手持ちの武器で応戦した……ここまではいい。
明らかに二撃目は陛下の故意によってのギター攻撃。
ワザとギターを壊したのは陛下ですけどぉ?
「テ、テメェが投げつけたんだろ!」
「襲いかかってこられて、怖かったから反撃したにすぎん!」
「さ、最初の攻撃で戦意喪失してたじゃねーか!」
「そんなのそっちの言い分だ! 起き上がってまた襲いかかってきそうな様な気がしたから、先制の反撃をしただけだ!」
何だ“先制の反撃”って!?
新しいパワーワードに誰もが混乱を禁じ得ない。
でも、この連中は喧嘩を売る相手を間違えたわ。
「そんな事は如何でもいいんだよ。ギター弁償しろ!」
「如何でもよくねーだろが! ギターの方が如何でもいいわ!」
なるほど、陛下がこの連中を待っていたのは、ギターを新調する為なのね。
「うるさい。そのギターはなぁ、サラボナのハゲから値切り叩いて20Gで買った中古品なんだぞ!」
「激安じゃねーか、馬鹿野郎!」
安〜い! 中古品だとしても、しっかり使用できてる品で20Gは安い!
「馬鹿はお前だ馬鹿野郎! そのギターにはなぁ、僕が使用し続けてきたって事で、付加価値が付いてるんだよ! だからギター代200G払え!」
値上がってるぅ(笑)
「さ、先刻は20Gって言ったじゃねーか!? なにサラッと10倍にしてんだ!」
「うるさい、付加価値が付いてると言っただろ! あぁ、あのギターとの思い出が蘇ってきた……よし、払え。付加価値と思い出補正込みの金額2000Gを!」
短時間で100倍になったー!(笑)
アイリーンSIDE END
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