第七十二話 キャンバスライフその三十四
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「よかったらそちらもです」
「案内してくれるのね」
「奈良県内だけでなく」
「じゃあその時はお願いするわね」
「そうさせて下さい、先輩が二人と会ってくれたら」
にこにことして言うのでした。
「僕も嬉しいです」
「そうなのね」
「ですから」
それでというのです。
「その時は言って下さい」
「わかったわ、新一君が大事に思ってる人なら」
それならです。
「私もお会いしたいわ」
「宜しくお願いしますね」
「心から慕ってるのがわかるから」
「母方のお祖母ちゃんもいまして」
この人もというのです。
「八尾にお祖父ちゃんと一緒に住んでます」
「八尾って奥華の大教会があるじゃない」
「奇遇ですよね」
「奥華は恩智だけれどね」
「山本の駅から結構離れた場所の団地に住んでます」
随分と詳しく教えてくれました。
「そちらに」
「そうなのね」
「元々九州の方で暮らしていて」
「お母さん九州の人だったわね」
新一君のこのことを思い出しました。
「そうだったわね」
「はい、佐賀の方です」
「あちらね」
「そこからこっちに出まして」
関西の方にというのです。
「今に至ります」
「八尾とはまた奇遇ね」
「そうですよね」
「それも同じ近鉄線だから」
そちらで行き来も出来るからです。
「本当に奇遇ね」
「ただ母方のお祖父ちゃんとお祖母ちゃんは天理教じゃないんで」
宗教はというのです。
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