ALO編ーフェアリィ・ダンス編ー
14.許された過去
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
.。
「頭をあげてください........集也さん、でしたよね」
俺は恐る恐る頭を冷たいアスファルトからあげる。
......彼女は泣いていた。さっきまで持っていた花とバケツは地面に落下している。そしてその手は強く握られている。
「話してくださいますか.......美咲の、最後を.......」
俺はミサキに起きたことを全て母親に話した。何も包み隠さずに話した。俺の話を何も言わずただただ頷いて聞いている。
俺が話し終わると彼女は、そうですか、と一言だけ言って下を向き黙り込む。
「集也さん」
「は、はい」
不意に彼女の声に驚く。
「あなたのキャラネームっていうんですか?.......それを教えてくれませんか?」
彼女の言葉に俺は少し驚いた。
「........シュウです」
「そうですか」
彼女は涙を右手で拭い、その表情を安心したような表情に変える
「それなら、私はあなたを許します」
「えっ!」
またも驚いた。
「私はあなたを許します。それが娘の言葉ですから」
「ミサキの........言葉?」
意味がわからなかった。
「美咲が死んだ日は今でも覚えています。あの時は、言ってる意味がわかりませんでしたけど........今ならわかります。美咲の最後の言葉が」
彼女は少し間を開けたあと、その言葉を口にする。
「........シュウ、ありがとう.......それが美咲の最後の言葉でした」
頬を温かいものが伝っていく。止めることもできない。
「どうでしたか。美咲は、向こうでも笑ってましたか?」
止めどなくこぼれる涙を無理やりに止めて俺は作り笑いをして言った。
「はい........笑顔でした........」
「そうですか.......それでは」
彼女は、俺の言葉を聞くとその場に落ちているバケツと花を拾い上げてこちらに一礼して去って行った。
アスファルトから立ち上がり、ミサキの墓石の天辺を二、三度撫でる。
「また来るよ。......ミサキ」
次の日の朝、俺のスマホに一件のメールが届く。
そのメールはエギルからのもので【件名:Look at this!!差出人:エギル】。あとは、写真が貼られてるだけで他に文字はない。
その写真ファイルを開くとそこには..........鳥籠の中にいる人......だが、その姿には見覚えがあり.........というかその姿は.........
「........アスナ?」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ