第四十九話 ラフな格好をその十二
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「ああはならないってね」
「言われてますか」
「親になってもね、ただね」
「あっ、そうしたことって連鎖するんですよね」
かな恵は先輩にその顔をやや曇らせて応えた。
「DVも」
「そうよ、虐待された子はね」
「自分が親になったら」
「自分がされた様にね」
まさにというのだ。
「自分の家族にもね」
「する様になるんですね」
「だからその娘も気をつけてるわ」
「やっぱりそうですか」
「ええ、自分がそうならない様に」
「負の連鎖にならない様に」
「自分がされて嫌だったことは他の人にはしない」
先輩は真剣な顔で述べた。
「人として当然のことでしょ」
「そうですよね」
「当然ご家族にもね」
「そうすべきですね」
「さもないとね」
それこそと言うのだった。
「自分が同じことをしたら」
「惨めですよね」
「自分が嫌いな相手と同じことをしたら」
「こんな残念なことはないです」
「そうならない様にね」
まさにというのだ。
「しないとね」
「DVについても」
「そうよ、繰り返さないことよ」
自分はというのだ。
「反面教師にしてね、何なら治療も受けて」
「DVのですか」
「そうしたことも出来るから」
精神科医に診てもらってだ、暴力衝動も精神病の一つであり治療により治すことも可能であるのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「そうしたこともしていって」
「そうはならないことですね」
「自分の親が毒親ならね」
「そうしていけばいいですね」
「そうよ、本当にね」
実際にというのだ。
「つくづく思うわ」
「その知り合いの人を見てですね」
「そうする様になったわ」
「そうですか」
「ええ、だから鈴木さんもね」
またかな恵自身に話した。
「いい親御さんだったら」
「お手本にしてですね」
「結婚して子供が出来たら」
その時はというのだ。
「そうして育てていってね」
「ちゃんとですね」
「ええ、そうしてあげてね」
「そうします、物凄く先になると思いますが」
「結婚して子供が出来るって」
「はい、本当に」
かな恵は自分がそうなることを想像も出来ないでいた、だからこそ言うのだ。
「そのことは」
「そうなのね、けれど縁があったら」
「カトリックだと神様の定めたことで」
「それでね」
「結婚してですね」
「子供が出来るから」
そうなるからだというのだ。
「その時はね」
「ちゃんとですね」
「育ててあげてね、私もね」
先輩は自分もと言った。
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