第四十九話 ラフな格好をその二
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「いいわよね」
「冷たくて食べやすいですよね」
「冷麺と言うだけあってね」
「そうですよね」
「しかもキムチ沢山入れて」
韓国料理である、それならこれは欠かせない。
「お野菜も入っていて」
「ハムとかチャーシューも入れますし」
「栄養バランスもね」
「いいですから」
「尚更いいわ」
「そうですよね」
「日本の夏は暑いわ」
先輩は苦い顔で話した。
「それもかなりね」
「皆そう言いますね」
「外国から来た子はでしょ」
「はい、何か南国の夏よりもです」
東南アジア等である。
「辛いって」
「そうよ、ただ日差しが強いだけじゃなくて」
「湿気も多くて」
「雨もそうしたところより少ないからね」
「熱帯だとスコールありますね」
熱帯この場合は熱帯雨林気候の特徴の一つである、ある程度決まった時間に集中的に雨が降るものだ。
「あれで冷えるんですよね」
「一気にね」
「アスファルトや熱くなっていても」
「コンクリートとかもね」
「それで一気に冷えますからね」
雨即ち水によってだ。
「いいんですよね」
「ええ、しかもね」
先輩はさらに言った。
「毎日みたいに降るから」
「結構いいんですよね」
「そうよ、けれど日本の夏はね」
「毎日みたいにじゃないですから」
「夕立があってもね」
最近ではゲリラ豪雨もある、夏の暑い時に一気に降るのだ。
「それでもね」
「東南アジアとかより降ることが少なくて」
「冗談抜きで過ごしにくいわ」
「そうなんですね」
「この神戸はかなりましだけれどね」
先輩はこうも言った。
「正直言ってね」
「前海ですぐ後ろが山で」
「いつも山から涼しい風が来るからね」
それでというのだ。
「前の海も涼しくしてくれるし」
「夏の神戸は快適ですね」
「ええ、ただ大阪に行ったら」
「私お家あそこですけど」
かな恵はすぐに応えた。
「やっぱり夏は」
「暑いでしょ」
「うだるみたいに」
「あの暑さはないわ」
先輩はかな恵に暗い顔で話した。
「だから今も言うのよ」
「そういうことですね」
「いい街だけれど」
「夏の暑さはですか」
「ないわ、だから今日の冷麺はね」
「嬉しいですか」
「しっかり作って」
そしてとだ、先輩はかな恵に話した。
「そしてね」
「しっかりと食べますね」
「そうしましょう」
こう言ってだった。
先輩はエプロンを着け終えるともうそうしていたかな恵と共に部活が行われる学校の調理室に入った。
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