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夢幻水滸伝
第二百六十九話 大雨の中の決戦その十一

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「ここはな」
「ああ、お互い勝負はつかんかったな」
「今日のところは引き分けでや」 
 それでというのだ。
「終わりってことでな」
「また今度にしよな」
「ああ、明日またや」
「戦おうな」
「一騎打ちにな」
 それにというのだ。
「そしてや」
「軍勢同士の戦もな」
「やっていこうな」
「明日またな」
「ほな今日は」
「これで終わりや」
 総大将同士がこう話してだった。
 両軍は夜はそれぞれ休息に専念することになった、どちらの軍勢も天幕に入って将兵達を休ませるが。
 羅は自身の天幕の中で仲間達に話した。
「皆身体を拭いて服を乾かせることや」
「そうしますね」
「具足もそうしてな、火に当ててや」 
 そのうえでとだ、曹に話した。
「服をな」
「乾かせますね」
「暫くは下着だけになるが」
 それでもというのだ。
「それはしゃあない」
「今は」
「そや、天幕の中でな」
「煙は出して」
「そして服も身体も乾かせてな」
 その様にしてというのだ。
「飯を食ってや」
「寝ますね」
 莫が言ってきた。
「そうしますね」
「そうしてもらうで」
「そしてな」 
 そのうえでと言うのだった。
「明日またや」
「戦ですね」
「そや、勝つかな」
「矢尽き刀折れるまで、ですね」
 屈が言ってきた。
「それまで」
「戦うで」
「そうしますね」
「どうも明日も雨らしいが」
 麒麟から言われたことだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「まだや」
 こう言うのだった。
「戦うで、兵達にもな」
「頑張ってもらいますね」
「辛いが戦をするのが兵でや」
「志願して来てもらってますし」
「徴兵やとな」 
 これで集めた兵はとだ、羅は苦い顔で話した。
「やっぱりな」
「好き好んで入った軍やないので」
「士気が落ちる」
「そうですね」
「しかし志願やとな」
 この兵の採用方法は羅だけでなく施も行っている、高給と好待遇を条件として採用した兵達をさらに鍛え上げているのだ。
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