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夢幻水滸伝
第二百六十九話 大雨の中の決戦その九

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「自分と同じや」
「そういうことか」
「そして中国ひいては世界をや」
「背負ってみせるか」
「その力で自分を倒すで」
「わかった、しかしそれはや」
 羅は攻撃を繰り出しつつ言った、青龍偃月刀を縦横に振りかつ周りに七匹の龍を出している、龍と弓矢が互いにぶつかり激しい応酬が行われ。
 二人は術も使いお互いの能力を高めかつ攻撃も繰り出し合う、激しい炎と氷に雷、嵐が大雨の中で相殺し合い。
 二人はその中でそれぞれの神具に乗り宙に浮かび一騎打ちを行っている、その中でのやりとりだった。
「我の台詞や」
「中国を背負ってか」
「そして世界を救うのはな」
「自分が中心か」
「そや、それを今証明したるわ」
「勝ってやな」
「その通りや」 
 不敵に笑ってそうしてだった。
 二人は一騎打ちを続けた、そして両軍の戦闘も続き。
 魯は空から黒麒麟に乗ったうえで軍全体の采配を執りつつ隣に来た軍師役の巴に対して眉を顰めさせて言った。
「攻めてるが」
「その全てが防がれ」
「そうなっててな」
 それでというのだ、巴は術で宙に浮かんでいるがその彼に言った。
「中々な」
「戦局は膠着していて」
「動いてへんな」
「激しい戦ですが」
 それでもというのだ。
「それでもです」
「その通りやな」
「厄介な状況とです」
 その様にと言うのだ。
「言うしかないですね」
「ほんまにな」
「しかしこのままです」
「攻めていくことやな」
「それが一番やな」
「そうですね、では大雨の中です」
「このままな」
「攻撃を続けていきましょう」
 魯に言ってだった。
 巴は戦局を見た、雨衣を着てそうしていてだった。
 騎兵隊の動きを見てだ、魯に言った。
「第五騎兵師団ですが」
「疲れが見えてるな」
 魯も彼等を見て言った。
「どうも」
「はい、ですから」
「そろそろ下がらせるべきやな」
「そうかと」
「よし、ほなな」
 施も頷いて述べた。
「ここはな」
「そうしますね」
「そしてな」
 そのうえでとだ、魯は述べた。
「第十二騎兵師団を向かわせるか」
「充分休息を取りましたし」
「そうしよな」
「疲れたなら休ませ」
「そして新手を繰り出す」
「そうして攻めんとな」
「人は常に戦うことは出来ません」
 疲労、それが蓄積されてというのだ。
「そやからです」
「疲れた部隊は休ませて」
「補給と整備、それにです」
「治療も受けさせてな」
「回復させましょう」
「そうせんとな」
「今は互角ですが」
 戦局は完全にそうなっている、羅達の軍勢俗に北軍と言われる彼等は果敢に攻めているが施達の軍勢これまた俗に南軍と言われる彼等は盤石の守りで対している。
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