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夢幻水滸伝
第二百六十九話 大雨の中の決戦その六

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「右は防ぐ、あと左やが」
「敵の軽歩兵や軽騎兵が動いています」
 美蓮が言ってきた。
「そうしています」
「兵をまとめて迂闊に動かんことや」
 左はというのだ。
「白と紅美ちゃんに頼む、右は砲兵隊は王が率いてや」
「わかりました」
「歩兵隊は緑麗ちゃんや」
「お任せ下さい」
「それでは」
 王と緑麗も応えた。
「やらせて頂きます」
「右の方は」
「そして他のモンは正面を受け持つが」
 ここでだ、施は。
 空を見てだ、郭に言った。
「自分は空に上がってくれるか」
「空か」
「そや、空に上がってな」
 そうしてというのだ。
「敵を見てくれるか」
「そうしてくれるか」
「そしてや」 
 そのうえでというのだ。
「空にはあっちは魯がおる」
「あいつともやな」
「必要と判断したらな」
 郭がというのだ。
「その時はや」
「戦うことか」
「そや、自分の仙術でな」 
 それでというのだ。
「対するんや」
「そうすることやな」
「そや、しかし基本はな」
「空から戦を見るんやな」
「空から全体を見るとよおわかる」
 戦局がとだ、施は話した。
「そやからな」
「見ることやな」
「あと空船の指揮もな」
 これもというのだ。
「頼むで」
「わかった、ほなな」
「戦うで」
 こう言ってだった。
 施は攻めて来た羅の軍勢に対した、大雨の中守りを固めた。そうして風水師達にも気候を動かして雨を弱めさせた。
 雨は強い、だが。
 両軍共それにも果敢に向かっていた、羅は麒麟に乗り正面の軍勢を率いて全体の采配も執りつつ言った。
「雨で身体が濡れて冷えるのはしゃあない」
「そやからやな」
 貝殻から魯が言ってきた、彼も郭と同じく空船の采配を執っている。
「それに備えることやな」
「そや、雨衣も着せてるのもな」
「濡れるのを防ぐ為やしな」
「そや、しかし濡れる部分はどうしても出るし」
 雨衣も全て防げる訳ではないということだ。
「そしてや」
「冷えるな」
「そやからな」
 それでというのだ。
「ここはな」
「身体を温めることもやな」
「していくんや」
 こう言うのだった。
「具体的にはや」
「飯を食うことやな」
「出来る限り温かいな」
「それで温まる」
「身体は飯を食うと温まる」
 このことを言うのあった。
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