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夢幻水滸伝
第二百六十九話 大雨の中の決戦その三

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「ほんまに」
「そこで迂闊に攻めたらな」
「負けますね」
「そうなる、不測の事態も起きてな」
 そうもなってというのだ。
「そこを付け込まれてな」
「負けますね」
「そやからまずは守りを固めるで」
「そうしますね」
「それで軍におる風水師達にや」
 その彼等にというのだ。
「雨を少しでも弱めてもらう」
「そうして視界や足場もよくする」
「そうしてく、兎角今はな」
「守りますね」
「方陣を固めてな」
 そうしてというのだ。
「守りに徹するで」
「敵は攻めてきますか」
 張は目の前の敵軍を見ながら施に問うた。
「やはり」
「そうしてくるやろな、陣形を見たら」
「そうしてきますか」
「自分もわかるやろ」
「あれは攻める陣形です」
 張が見てもだ。
「明らかに」
「そやな」
「騎兵隊を前に出して」
 そうしてというのだ。
「柵も塹壕も用意していません」
「それやとな」
「攻めてきますね」
「そや、こっちは塹壕もな」
「用意しています」
「その前に鉄条網も備えてだ」
 そのことも行ってというのだ。
「守りを固めてる」
「その我々に対して」
「そや」 
 まさにというのだ。
「攻めてくる、向こうも風水師を使ってな」
「この大雨を弱めますね」
「そうしてくる」
 このことも言うのだった。
「そのうえでな」
「攻めてくるので」
「備えてきてるしな」
「守りに徹しますね、我々は」
「そうする、しかし敵は強い」
 羅達のこのこともだ、施は真剣な顔で言った。
「そやからな」
「こちらも油断出来へんですね」
「絶対にな、空船も使うけどな」
「この天候では中々難しいですね」
 美蓮は空を見上げた、空は黒く分厚い雲に覆われておりそこから激しい雨がひっきりなしに降り続けている。
「雲の上に出れば違いますが」
「そうしてもや」
「雲の下にいる敵を攻めることも」
「見えへん敵をそうそう攻められん」
「そうですね」
「そやからな」 
 そうしたことがあってというのだ。
「雲の下で戦うもんやが」
「それも難しいですね」
「実際な」 
 こう言うのだった。
「ここは」
「そうですね」
「それに敵も空船を持ってる」
「装備は同程度です」
 その質も量もというのだ。
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