第二話 来訪その二十
[8]前話 [2]次話
「その為です」
「そうなのですね」
「ですから」
それでというのだ。
「あの様です、ですが」
「本質はですね」
「変わってはいません」
そうだというのだ。
「全く」
「そうですね」
「心優しく人の道を踏み外してはいない」
「まさに子供の頃のです」
「神威ですね」
「そのままです」
まさにというのだ。
「わしもそう見ています」
「左様です、だからですか」
「封真も小鳥もそのままなので」
「子供の頃から」
「必ずです」
丁に微笑んで話した。
「あの三人はです」
「共にですか」
「生きていけます」
「そうなればいいですが」
「必ずなります」
また丁に話した。
「安心して下さい」
「そのお言葉信じたいです」
丁は頭を垂れて述べた。
「わらわも」
「そう言ってくれますか」
「信じられませんが」
「信じてくれとは言いません」
鏡護はそれは否定した。
「運命は無数にあり」
「そのどれに行き着くかですね」
「はっきりとは言えないのですから」
それ故にというのだ。
「やはりです」
「わらわが信じられずとも」
「当然です、ですから」
「これからの運命の流れをですね」
「ご覧になって下さい」
「わらわの為すべきことを為しながら」
「そうしてくれますか」
こう丁に話した。
「ここは」
「はい、では」
「またですね」
「お伺いします」
またしても目を閉じてそうしてだった。
丁は鏡護の前から姿を消した、鏡護もそれを見届けてそのうえで深い眠りの世界に入った。その顔は澄んだものだった。
第二話 完
2022・11・1
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ