修善寺女子高との練習試合
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修善寺女子高
『工業三科(情報処理科)の斉藤もなかさん、至急、工業三科(情報処理科)の山崎の所に来てください。』
みんなに謝罪をしていると、戦車道の顧問である山崎先生から呼び出しをされてしまった。
あの先生は呼び出すことはあっても、叱ったことが無かった。
先生は46歳と、なかなかに高年齢であるが、戦車道の事については詳しかった。
いや、戦車道ではなく、戦車そこものに詳しかったのである。
山崎先生が此処に来たのは10年前の事らしい。
此処に来る前は陸上自衛隊として戦車に乗っていたらしいのだ。
「失礼します。工業三科、斉藤もなかですけど、山崎先生に呼ばれてきました。」
「おう、来たか。ちょっと待っててな。」
山崎先生が立って、此方に歩いてくるのが見えた。
山崎先生の手には一つの鍵がにぎられていた。
「ちょっとだけ見てほしい物があってね。」
私はパソコン実習室に連れてこられた。
そこに映し出されていたのは、大狩流でも極秘扱いになっている昔の戦車道全国大会の映像だった。
「山崎先生、いったいこれは何なんですか?」
「見てわからないのかい?第30回全国高等学校戦車道大会の決勝の様子だよ。」
映し出されている白河女子高の戦車は、敵戦車を、谷間に落とす戦い方をしていた。
落ちた戦車を助けようとする敵の元時川商業高校(現横田高校)が救命を行っているうちに白河女子高はフラッグ車を含む敵戦車を行動不能にしていた。
「山崎先生、此では流儀に反しているのでは?」
「その通りだ。この時の隊長を勤めていたのは大狩真央さん。今ではルール女子高の戦車道の顧問をしているよ。」
「ではルール女子高との試合ができるように今後の練習を考えます。」
「それもそうなんだが、もなかが抽選会場で宣言した練習試合を使って今の大狩流のことをしる機会になると考えている。」
「わかりました。大洗女学園との練習試合で今の流派戦闘方式について学習してきます。」
私は今の大狩流について調べることにした。
そもそもおかしな点は幾つもあった。
この数年で大狩流が異常なまでに流派範囲が拡大している。
それも日本全土と言っていいほど迄に広がっている。
もしかしたら今では西住流よりも有名かも知れない。
「大洗か。どうしてあんな下級学校に梨華さんはいるのかな?本当の理由を調べておこう。」
私は戦闘方式の学習と梨華の転校理由を調べることにした。
一方大洗女学園では、
「みほはもっと適格な指示を出すべきだよ。そうじゃないと各チームが混乱するよ。」
私はみほの隊長としての能力を上げるために指導をしていた。
蝶野教官も最近は仕事が忙しくて指導に来ることが減っていた。
「梨華、ちょっときついよ。休憩していい?」
「駄目。みほはもっと頑張らないと。」
「そんなー。」
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