第二百七十七話 神殿に入りその四
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「大きな力になるでござる」
「そうだよ。それこそね」
剛は自身が率いる軍勢に砲撃と銃撃を命じつつ話した。
「バベルの塔さえだよ」
「築けるでござるな」
「あの塔は神様に壊されたけれど」
神に近付かんとする行為が傲慢とされて怒った神の雷で破壊された、聖書にはそう書かれていて多くの者が知っている。
「けれど神に迫ることもね」
「出来る証でもあるでござるな」
「そうも考えられるよね」
「確かに」
智も否定しなかった。
「そうでござる」
「だからね」
それでというのだ。
「人はね」
「力を合わせればでござるな」
「神にも勝る」
「そこまでの力を得るでござる」
「それが今の僕達だから」
「ここはでござるな」
「戦っていこう」
このままというのだ。
「敵が尽きてね」
「戦局が変わるまででござるな」
「そうしていこう」
「それでは」
智も頷いて応えた、そうしてだった。
彼等は兵を率いて守りを固めてそのうえでだった。
戦い続けた、そうして。
深き者共の数を減らしていった、彼等は各個の強さを本能を前面に出して挑んできていた、その彼等に対して。
幕府と帝国の連合軍は守りを徹し集団で戦っていった、そうして夜が更けると。
陣の周りは深き者共の屍が累々と横たわっていた、それを見て耕平は言った。
「確かにや」
「多くの敵を倒してるよ」
「そやな」
淳二に笑顔で応えた。
「もう何十万とな」
「倒してるよ」
「それやとな」
「このままね」
「倒していったらええわ」
「そうだよね」
「ああ、ほなな」
淳二にさらに話した。
「敵をや」
「このままだね」
「減らしていってな」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「神殿にね」
「入ろうな、敵の数がとことんまで減ったら」
耕平はそうなった時のことも話した。
「掃討戦や」
「それに入ろうね」
「そしてや」
「神殿にもだよ」
「入るんや、ただ掃討戦になったら」
耕平はそうなった時のことをさらに話した。
「陣を出てや」
「敵と直接向かい合って戦うよ」
「そうなるさかいな」
だからだというのだ。
「ここはな」
「是非だね」
「そや」
まさにというのだ。
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