第七十三話 【カンピオーネ編】
[8/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た。
◇
ユカリの目の前には大量のフクロウを携えたアテナが立ちはだかっている。
「まつろわぬ?」
まつろわぬとは一体どう言った意味の日本語だろうか。
しかし、今はそれを考えている時ではないだろう。
「妾はそなたとの戦いを望む。この申し出を受けず、またそなたが逃げおおせると言うのであれば一つ一つこの国の街を破壊していく事としよう」
おそらく神たる身のアテナにしたら人間の築いた街など塵あくたのようなものなのだろう。
「脅しってわけね。私がそれに頷かず、無辜の民を見捨てて逃げたらどうなるのかしら?」
「その時はこの国に留まらずこの世界を破壊してみせよう。そんな事をすれば神殺しが駆けつけてくるやも知れぬが…何、全てを返り討ちにすれば良いだけの事」
「まったく…人間一人にそこまでするかしら、普通」
悪態をついてユカリは覚悟を決めた。
「まつろわぬ神を人間の尺度で測るのが愚かと言う物よな」
ユカリは胸元からレーヴェを取り出し、空へと掲げる。
「レーヴェ、お願い」
『スタンバイレディ・セットアップ』
一瞬の発光の後ユカリの服装は黒い龍鱗の甲冑に変化していた。
「それがおぬしの戦装束か。なかなかに豪奢なものよの」
見た目はアオのバリアジャケットを黒くした感じだろうか。
両の籠手は少し盛り上がり、そこに装填数3発のリボルバー式のカートリッジシステムが搭載されている。
片手て3発、両手で計6発の計算だ。
両手には彼女の念能力である左右一対の日本刀、ツーヘッドドラゴンが握られている。
バリアジャケットを展開し、武器を具現化させた後、ユカリの足元に魔法陣が現れたかと思うと、黒く染まった景色を塗り替えた。
周りの建造物への配慮からユカリが封時結界を発動したのだ。
その結界はアテナのみを飲み込み、周りのフクロウは置いてくる。
「ほう…どうやったのかは分からぬが、空間を閉じたか。これがおぬしが妾の前から逃げおおせた技よな。ここに至っても妾にはこの技がいかなる魔術でもって隔たれたのかも分からぬ。呪力を行使した感じもしなかったゆえ、もしや魔術では無いのかも知れぬな」
「それに対してはノーコメントで。未知は最大の恐怖にて自分の有利だからね」
「それは道理よな」
ユカリが武器を構えるのを見てアテナも虚空から漆黒の大鎌を取り出して構える。
「出来ればルールのある立会いを望みたいのだけれど…」
「ふむ…妾は不死の女神ゆえ、例え死しても蘇る。なれば、妾を一度殺す事が出来れば妾は負けを認めよう。神を打倒した褒美にそなたの言う事を一つ聞いてやるとしよう」
「不死…か。流石神様と言うことかしら」
ユカリは
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ