第七十三話 【カンピオーネ編】
[13/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るが良い。大抵の事なら叶えてあげられるえな」
その言葉を聞き、ユカリは考える。
どうすれば目の前の厚顔不遜な彼女に首輪をつけられるかを。
目の前から去れと言えば去るだろう。
しかし、人類を滅ぼすと豪語する彼女の暴虐は止められない。
ならば人を傷つけるな、か?
いや、幾らユカリが勝者とて、その願いは聞き入れないだろう。
直接的なものではなく、間接的に彼女の暴虐を止める方法は無いだろうか。
そう考え、ユカリはピンと来た。
自慢の息子ならばもっと他の要求を突きつけるのだろうけれど…と、ユカリは思ったが、今は自分しか居ないのだ。
ユカリは要求を突きつける。
「これから、私が寿命で死ぬまで、一緒に夕飯を取りましょう」
「…………」
ユカリの要求に流石のアテナも目を見開いた。
「妾に食を共にせよと申すか」
「ええ」
「それだけか?そなたに妾の加護を与えたり、天上の叡智を授ける事も智の女神たる妾には可能なのだぞ?その力があれば神殺しとまでは言わねども、地上の魔術師共とは隔する力を手に入れることも可能よな」
「その魔術師達は一度でもあなたを殺せる存在なのかしら?」
「そのようなものは神殺ししか存在せぬ」
「ならば私はすでにどの魔術師よりも強いわ。あなたの加護も天上の叡智も要らない」
「…道理よな」
「けれど、一人きりの夕飯は寂しくて、美味しくないの。誰かが一緒に食を囲ってくれたらきっとその美味しさは何倍にもなると思うの」
さらにここでユカリは追い討ちをかける。
「私の言う事を一つ聞いてくれるのでしょう?約束を守らないのは神の矜持としてはどうなの?」
「くっ…いいだろう。そなたと食を共にする事としよう」
アテナの了承の言葉を聞いてユカリはニヤリと笑う。
「私と夕食を共にするにあたり、私の夕飯を阻む行為は一切禁止よ?」
「ふむ、よかろう。了承した」
「つまり、私が美味しい夕食を作る為に必要なものにあなたは手を出しちゃダメ。でないとあなたを夕食に招待できなくなるもの」
「む?」
雲行きが怪しくなってきた事をいぶかしむアテナ。
つまり…と前置きをした後ユカリはたわいない要求に隠された大きな制約を口にする。
まず、夕飯を提供する我が家とその近辺の破壊活動の禁止。
その破壊活動の禁止の中に商品の流通が滞るから都市部や公道の破壊なども含まれる。
都市機能を麻痺させるような力の行使は禁止する。
「む?それはいささか拡大解釈ではないか?」
「いいえ。文化的な生活を守ってこその豊かな夕食だもの」
と、ユカリは持ち前の強引さで相手を説得する。
「別に私は人を殺すなとは言っ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ