第二百七十七話 神殿に入りその一
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第二百七十七話 神殿に入り
幕府と帝国の国家連合軍と深き者共との戦いは続いていた、それは昼だけでなく夜も続いていたが。
灯りで周りを照らして戦いつつだ、愛実は言った。
「夜になるとっちゃ」
「余計に強くなったわね」
清音は術を放ちつつ応えた。
「そうなったわね」
「相変わらず本能のまま戦っていてっちゃ」
「獣よりも統制が取れてないけれどね」
「それでもっちゃ」
「強さはね」
個々のそれはというのだ。
「高まったわね」
「そうっちゃね」
愛実は采配を執りつつ応えた、迂闊に攻めさせず守りを固めて戦っている。それは他の者達も同じである。
「これは」
「深き者共は闇も強いからね」
そちらの属性もとだ、清音は述べた。
「だからよね」
「そうっちゃな」
「それでね」
その為にというのだ。
「夜になるとよ」
「さらに強くなるっちゃな」
「そうみたいね、それによ」
「それに?」
「あの連中お魚でしょ」
清音は深き者共の半魚人の外見からも話した。
「お魚は実はね」
「夜行性のものが多いっちゃな」
「鮫もね」
この魚もというのだ。
「いつも泳いでいるけれど」
「それでお昼も動いてるっちゃな」
「ええ、けれどね」
「夜の方がっちゃな」
「活動的になるのよ」
だから夜に襲われるケースが多い、遭難事故でも案外昼は襲われる夜に襲われる場合が多いのである。
「だからね」
「それでっちゃな」
「ええ、この連中もね」
深き者共もというのだ。
「そうなのかもね」
「夜にっちゃな」
「尚更強くなるのかもね」
「そうっちゃな」
「ええ、けれどね」
強くなっていることは事実でもとだ、清音は愛実に話した。
「それで怯むか」
「まさかっちゃ」
愛実は笑って応えた。
「こうなることもっちゃ」
「考えていたわね」
「そうっちゃ、だからっちゃ」
「このまま戦っていくわね」
「夜で視界が限られる様になって」
術や松明で照らしてもだ、どうしても限りはある。
「そのこともあってっちゃ」
「敵は強くなったけれど」
「これ位でっちゃ」
「戦いは止めないわね」
「このまま守りを固めてっちゃ」
そうしてというのだ。
「戦っていくっちゃよ」
「そうすることよ、兎角ね」
「敵を倒すことっちゃな」
「そうよ、このまま戦って」
「敵を減らすっちゃな」
「そうしていきましょう」
「わかったっちゃよ」
愛実も頷いてだった。
兵を指揮し術も使いそのうえで。
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