第四十八話 暑くてもしっかりとその四
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「クラスで威張ってるだけで」
「それじゃあ嫌われてそうね」
「好きな奴が実はこの世にいないってね」
「そこまで嫌われてるのね」
「周りは言わないけれど」
「あっ、本当に嫌われてると嫌いとも言われないわよ」
母は娘にはっきりとした声で答えた。
「言うのはまだ忠告で忠告を言われるなら」
「それならなの」
「嫌われていても」
例えそうでもというのだ。
「まだましよ、本当に心の底から嫌われていたら」
「もう嫌いともなのね」
「言われないわよ、口で言われなくても」
「それでお付き合いしていても」
「内心ね」
「凄く嫌われてるのね」
「そうよ、だからね」
それでというのだ。
「その子は相当嫌われたのね」
「沢山の人から死ねばいいってね」
「言われる位になのね」
「嫌われたわ、けれどいなくなるのなら」
「嬉しいのね」
「ええ、そのお話聞いて幸せな気持ちになったわ」
一華は心から言った。
「よかったわ」
「社会のダニがいなくなって」
「このまま何処かに消えて欲しいわ」
一華はこうまで言った。
「本当にね」
「そうなのね」
「どうせあのまま生きていても余計ドキュンになってね」
今もそうでというのだ。
「どんどん酷くなって」
「悪いことをしていくっていうのね」
「堂々と俺は我さえよければいいって言う様な奴よ」
「堂々となの」
「そんな奴更正したら奇跡だし」
そこまで言っていいまでのことでというのだ。
「それでね」
「捕まってなのね」
「前科ついたし」
これは消えない、そして一生ついて回るものだ。若気の至りであってもそれを人は見るものであるのだ。
「ここからいなくなるなら」
「いいし」
「このままこの世からもよ」
「消えて欲しいっていうのね」
「そうよ、しかしああした奴を見ても思うわ」
一華は眉を顰めさせたままさらに言った。
「世の中生きていたら駄目な奴もいるってね」
「人や世に害を与えるばかりだから」
「だからね」
「ヤクザ屋さんがそうよね」
「そうよね、ヤクザ屋さんなんてね」
それこそとだ、一華は母の言葉に答えた。
「あいつはヤクザ屋さんにもなれないでしょうけれど」
「弱いから」
「実は只のイキリだから」
不良ぶって悪事を行っているだけだというのだ、世の中そうした小者も存在しているのだ。
「ヤクザ屋さんにもよ」
「なれないのね」
「手前勝手な悪事は行っても」
それでもというのだ。
「その悪事から逃げられる頭ないから」
「だからなのね」
「ヤクザ屋さんになっても鉄砲玉に送られて」
よく新入りがやらされるという、そこで生き残れば認められるということだが失敗すれば言うまでもない。
「しくじって終わりよ」
「頭がないか
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