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ハッピークローバー
第四十八話 暑くてもしっかりとその三

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「団地のゴミ捨て場に勝手に空き缶捨てるってね」
「自分のところじゃなくてね」
「夜遅くまで騒いで」
「評判悪いわね」
「一口の傍の棟の一階の子達が怒ってるわ」
「勝手にゴミ捨てて夜遅くまで騒いで」
「学校違ってもね」
 八条学園の生徒ではないがというのだ。
「兵庫県のド底辺の高校に入ったそうね」
「みたいね、とんでもない不良高校に」
「性格も行いも屑だっていう」
「あんたも相当嫌ってるわね」
「だっていい評判聞かないから」
 その家の三男はというのだ。
「喧嘩弱いのにイキリで嘘ばかり吐いて底意地悪くて自己中で図々しくて恥知らずで思いやりなんか全然ないって」
「その子捕まったわよ」
「あっ、そうなの」
 一華はその話を聞いてぱっと明るい顔になった、そのうえで言った。
「それはいいわね」
「何でもスーパーで万引きして」
「捕まったのね」
「それでお店の人にしばくぞとか言って暴れて」
「警察に突き出されたのね」
「それで逮捕されて」
 そうなってというのだ。
「学校は退学になって」
「あのド底辺高ですら駄目だったのね」
「親からも感動されたらしいわ」
「ざま見ろね」
 一華は笑って言った。
「これでここからもいなくなるのね」
「少年院送りになるそうよ」
「正直誰にもいいことしない奴だったらしいから」
「いなくてよかったっていうのね」
「団地の入口近くの子達も喜んでるわね」
「そこの人達が今日笑って言ってたのよ」
「朗報ね、社会のダニがいなくなったら」
 残念なことに世の中そう呼ぶしかない輩も存在している、人として絶対になってはいけない姿である。
「それだけでね」
「いいことっていうのね」
「実際そうでしょ」
「ええ、ヤクザ屋さんがご近所にいてね」
 母も言った。
「そのヤクザ屋さんが捕まったらね」
「それだけでいいことよね」
「実際にね」
 こう娘に答えた。
「その通りよ」
「そうよね」
「あんたと同じ学年だとね」
「十五か十六ね」
「その歳で社会のダニって言われる位なら」
「どうしようもないわね」
「それで万引きして捕まる位ならね」
 それならというのだ。
「もうね」
「駄目よね」
「正直これからの人生更正したら」
 若しそうなったらというのだ。
「奇跡よ」
「そこまでの奴よね」
「ええ、喧嘩も弱いのよね」
「実はね、態度は最悪でも」
 それでもというのだ。
「実はね」
「弱いのね」
「口だけのイキリで悪態と虚勢だけってね」
 その様にというのだ。
「恰好だけの」
「今で言う典型的な只のイキリね」
「そう、それでね」
 そうした輩でというのだ。
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