第二百六十八話 血流の如くその二
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「あそこに行って」
「戦の準備に入ってな」
現地でのそれにというのだ。
「そしてな」
「そのうえで、ですね」
「開戦の準備をすると共にや」
「事前の衝突は避ける」
「そうするで、勝てば官軍と言っても」
この言葉はこの世界でも通用することだ、結局のところ全ては勝ってこそだ。それこそが戦であり政であるのだ。
「信頼が全くないとな」
「勝利で得たものは長続きしませんね」
「しかも因果も巡るしな」
施はこのことについても話した。
「まず煬帝やが」
「隋のですね」
緑麗が応えた。
「暴君の」
「お兄さん陥れて親父さんも暗殺したらしいな」
後者ははっきりとした根拠は出ていないが昔から言われていることである。
「それでお兄さんとその子供全員殺してな」
「帝位に就きましたが」
「国滅ぼして自分も殺された」
「まさに因果応報ですね」
「その後の唐の太宗も兄弟とその子供全員殺して親父さん退けてや」
唐の太祖李淵である、創業の皇帝であるが事実上の建国者は息子であるその太宗という珍しい例である。
「皇帝になったが」
「それでもというのですね」
「後でその子孫かなり殺されたからな」
「則天武后に」
「それ見たらな」
「信義に反する行いはですね」
「後で来る」
因果という形でというのだ。
「その天下をなくすかな」
「多くのものを失いますね」
「そうなるさかいな」
「ここはですか」
「せんで、宋は趙匡胤の徳で長く続いたしな」
そう言われている、太祖であった彼は無駄な殺生は絶対にせず特に位を譲った後周の皇族を宋が続く限り大事にさせた程だ。
「まあ後の太宗はな」
「その趙匡胤さん殺したってな」
「噂があるな」
施は郭に応えた。
「今もはっきりわかってへん」
「そやな」
「しかもその後や」
「自分の弟を死に追いやってな」
隔離してそして衰弱死に追い込んだというが毒殺説もある。
「そしてな」
「趙匡胤さんの子供二人もな」
「怪死してるが」
「実はって言われてるな」
「政はよかったが」
宋の土台を盤石にし長く栄える様にさせた。
「しかしな」
「それでもやな」
「そうした話が付き纏ってる」
「その為評判はよおないな」
「どうしてもな」
宋の太宗はそうした人物なのだ。
「唐の太宗も兄弟そして甥殺しやが」
「宋の太宗もやな」
「そんな話がある、後で太宗の子孫もな」
「皇帝やなくなってる」
「逆に太祖のや」
その趙匡胤のことである。
「子孫がな」
「性格に言うと怪死した長男さんやな」
太祖のだ、俗に自殺と言われているがその前に太宗に謁見して罵られそのショックで自殺したと言う。ただしこれも太宗の暗殺説が存在している。
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