第148話
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皇帝ユーゲント・ライゼ・アルノール三世だ。本来であれば私も息子達と共に貴女に面会に向かうべきだったのだが、私自身の不徳によって今は療養中の身の上、通信映像越しの挨拶になり、誠に申し訳ない。」
「貴方の事情も七耀教会から教えてもらって理解していますから、お気になさらないでください。それで…………オリヴァルト皇子達の私に対する依頼内容の一つである”ハーメルの惨劇”公表後空の女神がエレボニアの皇家・政府を庇う声明を出す事に対して承諾して頂かなければならない”4つの償い”は通信越しで聞いていたようですが……返事はオリヴァルト皇子達ではなく、貴方がするという事でよろしいのですか?」
「うむ。早速ではあるが”償い”の件についての回答をさせて頂く。――――――女神が仰った”ハーメル”に対する”4つの償い”をエレボニアは必ず全て実行する事を現エレボニア皇帝ユーゲント・ライゼ・アルノール三世の名において約束する。」
「陛下………」
「…………本当によろしいのですか?陛下の代でエレボニアが”帝国”の名を捨てる事は陛下御自身にとっても後の歴史に語られる不名誉な出来事になるでしょうし、何よりも陛下が退位なされば陛下は………」
エイドスの問いかけに対して答えたユーゲント皇帝の答えを聞いたトワが辛そうな表情を浮かべている中アンゼリカは複雑そうな表情でユーゲント皇帝に確認した。
「よい。”ハーメルの惨劇”を公表する事で”百日戦役”もそうだが、今回の戦争の敗戦の件で後の歴史で私が”愚帝”であると語り継がれていく事は確実なのだから私にとっての不名誉等今更な上、”エレボニア皇帝”として百日戦役もそうだが”全て”をギリアスに委ねた事によって去年の内戦や今回の世界大戦の勃発を止める事ができなかった結果エレボニアに多くのものを失わせた私には”皇帝どころか、皇族としての資格”すらもないのだからな。」
「陛下………」
アンゼリカの問いかけに対して答えたユーゲント皇帝の様子をユーゲント皇帝の傍で見守っていたプリシラ皇妃は心配そうな表情でユーゲント皇帝を見つめた。
「そしてこんな愚かな私一人が裁かれる事によって”ハーメルの惨劇”公表後に起こりうる事が考えられるエレボニアの混乱を最小限に抑える事ができるのならば、エレボニア皇帝として望む所の上それが私が”エレボニア皇帝として行わなければならない最後にして唯一の義務”でもあろう。」
「……………………既に陛下は御覚悟を決められたのですか………」
「…………………………」
ユーゲント皇帝の決意を知ったアルゼイド子爵は重々しい様子を纏って呟き、ミュラーは複雑そうな表情で黙り込んだ。
「―――――だからどうか、”ハーメルの惨劇”公表後によって起こりうる事が考えられるエレボ
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