第148話
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〜鳳翼館・ロビー〜
「え――――――」
「な――――――」
「ユ、ユーゲント皇帝陛下への”処罰”だって!?」
「……何故皇帝陛下は”処罰”を受けなければならないのでしょうか?」
エイドスが口にした驚愕の条件にその場にいる全員が血相を変えている中セドリックは呆け、ミュラーは絶句し、マキアスは信じられない表情で声を上げ、アルゼイド子爵は真剣な表情で訊ねた。
「彼の皇帝は”ハーメルの惨劇”を碌に捜査する事なくエレボニアの皇帝としてリベールとの戦争を決断した事もそうですが、”ハーメルの惨劇”の真実を知った後は隠蔽した挙句リベールにも隠蔽の強要を盾に賠償する事なく和解する事を決めたのですから、それらに対する”処罰”です。」
「陛下がリベールとの戦争を決断せざるを得なかったのは”ハーメル”の件での証拠が揃っていない状況で主戦派の愚か者達にリベールとの開戦を迫られたからであって、陛下自身は今でも”百日戦役”でご自身の判断によってリベールに甚大な被害を与えてしまった事を後悔しているのだぞ!?」
「それに”ハーメルの惨劇”を隠蔽する事を決めた理由はエレボニアを守る為であって、決して陛下御自身の私欲や保身等ではないのですが………」
エイドスの答えに対してユーシスは真剣な表情で、アンゼリカは複雑そうな表情でそれぞれ反論した。
「では逆に聞かせてもらいますが”百日戦役”の事を後悔しているのならば、エレボニアが今回の戦争で敗戦するまでユーゲント皇帝はリベールに”百日戦役”の件に関する賠償に関して国内で反対の声があったとしても、皇帝が持つ”強権”を発動してでも何故リベールへの賠償を自ら申し出なかったのですか?」
「……ッ!」
「それと”ハーメルの惨劇”を隠蔽する理由は”エレボニアを守る為”と仰っていましたが、それのどこに私が求める虐殺されたハーメルの民達に対する”償い”があるのですか?国の為にハーメルの存在を国から……いえ、世界から抹消したのですから償いどころか、逆に更なる”罪”を犯しているのではありませんか?」
「………それは………」
呆れた表情を浮かべたエイドスの指摘に対してそれぞれ反論できないユーシスは辛そうな表情で唇を噛み締め、アンゼリカは複雑そうな表情で答えを濁し
「―――――それと私からも貴方達からすれば厳しい事を言わせてもらうけど、ユーゲント皇帝の”罪”は他にも一国の”王”として”ハーメルの惨劇と向き合わなかった事”よ。」
「クレハさんの仰る通りです。”ハーメルの惨劇を公表する事を決めたのはオリヴァルト皇子達であって、ユーゲント皇帝ではありませんよね?”そしてオリヴァルト皇子達も、今回の戦争の件がなければ”ハーメルの惨劇”を公表するつもりは無かったのでしょう
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