第四十七話 大人の服装はその四
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「後でいいことなんてね」
「何もないですね」
「そうよ、だからね」
「しないことですね」
「犯罪だし犯罪ということ以外にもね」
まさにというのだ。
「悪いことしかないから」
「痛い目を見ますね」
「とんでもなくね」
「そんなものですね」
「人間全うに働くのが一番よ」
店長は真面目な顔でこうも言った。
「もうね」
「そんなことをしてもですね」
「後で倍返しなって」
それでというのだ。
「報いが来るわよ」
「そんなものですか」
「試しに梅毒の症状調べたらいいわ」
エイズと並ぶ性病の代表であるこの病気をというのだ。
「これになることもあるからね」
「えっ、梅毒って」
その名前を聞いてだ、一華は暗い顔になって言った。
「ちょっと」
「知ってるのね、どんな病気か」
「身体中に斑点出来て変な腫瘍と瘡蓋が出来て」
「お鼻が落ちてね」
「身体中腐ってあちこちおかしくなって」
「それで死ぬのよ」
「とんでもない病気ですよね」
一華は店長に話した。
「エイズより怖いですよ」
「その梅毒にもなるからよ」
その危険性もあるからだというのだ。
「しないことよ」
「そうなんですね」
「風俗店でやるならいいわよ」
それならというのだ。
「法律的にも問題ないしそうした病気の診察も定期的にやってくれるし予防策もね」
「してくれますか」
「お客さんに対して言うから」
店の風俗嬢が性病にならない為にだ、こうしたことの対策をしておくことも風俗営業の義務であるのだ。
「それでよ」
「性病のことも問題ないから」
「怖い人達も来ないわよ」
その彼等もというのだ。
「お店自体に関わってる場合もあるけれど」
「それやばいですよね」
富美子は眉を顰めさせて応えた。
「お店にそんな人達関わってるって」
「今は減ったらしいけれどこうした業界はね」
「ヤクザ屋さんが関わるものですか」
「ギャンブルとかね」
「そうなんですか」
「だからね」
それでというのだ。
「今も関わっていても」
「おかしくないですか」
「ええ、ただ減ってることはね」
このことはというのだ。
「間違いないわ、ヤクザ屋さん自体が減ってるから」
「そうですか?神戸は」
富美子は自分達が住んでいる街の話をした。
「やっぱり」
「ここはちょっと違うけれどね」
「ヤクザ屋さんの本場ですからね」
「それでも減ってるみたいよ」
その神戸でもというのだ。
「色々締め付けが凄いからね」
「減っていっていますか」
「だから風俗業界もね」
今話しているこちらの世界もというのだ、
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