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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第48話:7月19日
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「え?うん。ありがとう」

なのはは俺の行動に驚いたのか,おずおずと俺の引いた椅子に座った。
俺がなのはの向かいに座ると早速なのはが話しかけてきた。

「すごい人だね。あの人」

「だろ?昔っからよくしゃべる人なんだよ」

「知り合いなんだよね?」

「うん。子供のころから家族で食事会をするときはいつもここだったから」

「そうなんだ」

なのははそう言うと,店の中を見まわしていた。

「いい雰囲気のお店だね」

「そりゃどうも,ありがとうね」

声のした方を見ると,水の入ったグラスを持ったエレーヌさんが立っていた。

「エレーヌさん。今日のランチは何?」

「今日は,ビーフシチューだよ」

「お,ラッキー。じゃあ俺はランチで。なのははどうする?」

「えーっとどうしようかな・・・じゃあ同じで」

「はいはい。じゃあランチが2つだね」

エレーヌさんはそう言って店の奥に消えて行った。

「ねえ。ビーフシチューだとなんでラッキーなの?」

「ん?俺がこの店で一番好きなメニューだから」

「なるほど」

俺となのはが話をしながら15分ほど待っていると,エレーヌさんと
白いコック服の男がトレーを持ってやってきた。

「はい。お待ちどうさま」

エレーヌさんは手際よく俺となのはの前にビーフシチューとサラダを並べ,
最後にバゲットの入ったバスケットをテーブルの真ん中に置いた。

「はい,どうぞ召し上がれ」

俺はエレーヌさんにお礼を言おうと振り返ったときに,
コック服姿の男と目があった。

「よ,ゲオルグ」

「え!?マルタン?なんで?」

「今,店の手伝いをしながら色々覚えてるとこなんだよ」

「継がないって言ってなかったか?」

「気が変わった」

俺が茫然としていると,マルタンはエレーヌさんに呼ばれて店の奥に消えた。

「どうしたの?」

なのはが怪訝な顔で俺を見ている。

「いや,ちょっと意外な奴に会ったもんだから」

「それってさっきのコックさん?」

「うん。俺の幼馴染でここの一人息子なんだけどね」

「じゃあ,ここにいてもおかしくないんじゃない?」

「いや,あいつこの前まで店なんか継がないって言ってたんだけど・・・」

「そうなんだ。ま,いいじゃない。それより食べよ」

「そうだね」

俺はそういうと,シチューに手を伸ばした。

「うーん,この味だよ。うまい」

「うん。すごくおいしいね」

「だろ?」

俺となのははビーフシチューに舌鼓を打った。
20分ほどかけて食べ終わった俺となのはは,食後のコーヒーを飲み終わると,
店を出ることにした。
俺は,店のレジに向かう
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