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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十一話 創造―――晃世界
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俺ごと巻き込む火力で放たれる。
「―――ぐぅッ!!」
ギリギリで防御するアルフレートだがその余波は防がれることがなく、
「なッ!?」
俺はその余波の直撃を受ける。いくら直線状の攻撃とはいえアルフレートが邪魔になって、見えない位置からの攻撃タイミングがつかめず受けてしまう。
「どうした、貴様は奴を庇い立てしていたのではないのか?」
「見逃せ、と言ったんだ。自分から向かってきたならそれは自業自得だ」
吹き飛ばされる。その威力はさっき受けた攻撃を上回っていた。
「…ッぐ…あ……」
意識が……
******
「レンに手を出さないで」
藤井蓮が倒れ、そのまま庇いながら面倒な戦いをすることになるのかとアルフレートが思っているとその展開が訪れることはなかった。
「ほう……」
「健気だね、マルグリットちゃん。でも目の前に立つということは」
「痛みを享受することだとご理解していただいていますか。姫君」
エレオノーレがアルフレートが牙を向ける。当然、両者共に手を抜いてはいる。しかし、例えそれだけ弱く打ち付けた攻撃であったとしてもその痛みは大きかった。
「……痛い」
「水銀はさ、君を溺愛してて過保護だけど、僕はあまりそういうことはしない。痛みも経験だ」
「ふん、貴様と同意見だとはな。だがまあ、確かに痛みを学習するのも、悪い経験ではない。女はすべからく、それに強くあるべきだ」
エレオノーレが蹴りをいれる。苦痛に悶えるマリィ。
「すごいな……」
理解した。ああ、この子はやっぱり強い子だ。水銀が目をかけなくても彼女は強い。だからこそ、
「君の元に戻ることは無いんじゃないかな、水銀」
彼の恋は成就させたいと思う。だから、僕は例え君に嫌われても彼女を奪う方法に近くても君の元に来るようにするかもしれないよ。だからこれは僕なりの決別。僕は君を今でも親友と思ってるけどメルクリウス(・・・・・・)、僕は僕なりの方法で君の恋を成就させるさ。
「目が覚めて、頭は冷えたか藤井蓮?」
「……てめえ等、なに俺の女ボコってんだ、殺すぞ」
「それが僕なりの対価だ。行いには相応の対価を。それは当然、悪い方向にも向くと言うことだよ」
マリィの目つきが変わる。だからこそ分かる。ああ、彼女の心はもう向かない。
「わたしの男ボコってんじゃないわよ、誰にも渡さないんだから」
「ふふ、ふふふふ……」
「はははっは、はははは……君にはやっぱり女運は無いよメルクリウス」
そして、彼等は驚くほど速やかに戦いの形態へと移行する。これは下手をすれば彼等も創造を行うかも知れないな。
「なら、先手を打たせてもらうよ」
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