暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第140話:明かされるタネ
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た?」
「んなの簡単だよ。どの情報がそっちに知られてるのか分かってれば次の行動も予想し易くなるだろ?」

 どの情報を相手が握っているのか分からなければ、最悪の事態も避けようがない。颯人は敢えてキャロルに情報を握らせることで、対策を練りやすくしていたのだ。

 だが仮にそうだとしても分からない事はある。エルフナインがどの情報を得ていたか、何を見ていたか等颯人は何処で見ていたのか。彼は前線に出る戦闘要員。エルフナインにずっとついていた訳ではない。不自然に本部に残る様な事はしていなかったどころか、自ら本部を空ける事すらあった。

「一体何時、エルフナインの事を監視していたのだ?」

 キャロルが問うと、颯人は被っていた帽子を脱ぎ奏に向けて投げた。UFOの様に回転しながら飛んでいった帽子を奏が見事にキャッチし、ギアを纏った状態で被った。

 それが一体何を意味しているのか。全員が注目していると、奏は被った帽子を脱ぎひっくり返した。すると帽子の中から颯人の使い魔達が飛び出した。

「ッ!? それは……!?」
「ま、こういう事さ」

 思い返せば颯人は奏の傍を離れる時、頻繁に自分の帽子を奏の頭に被せてから居なくなっていた。事前に情報を集めていたキャロルは2人が恋仲である事も知っていたので、それを2人なりのスキンシップの一種だと思っていたのだが、それは間違いだという事を今知った。
 この2人は何気ない行動で、颯人から警戒の目を外しつつエルフナインを、更にはその向こうに居るキャロルに監視の目を付けていたのだ。

「んで、こっそりとレイラインに手を加えてこっちの魔法を使えるようにしてたって訳さ」
「い、何時の間に……」
「いや〜、にしてもお前ら迄同じ事やろうとしてたことに気付いた時はちょっと焦ったぞ」
「な〜にが焦っただよ。人の事まんまと騙眩ましやがって……」

 得意げに話す颯人に、クリスも怒りを通り越して呆れた顔を向けていた。ここまで見事に騙されたら、もう起ころうと言う気にもなれない。

 クリスですらこれなのだから、翼と響に至っては笑うしかない。ただこの事実を知った時、シャトーに突入した4人が怒らないかという事だけが不安だった。

「あはは……あれ?」

 思わず乾いた笑い声を上げていた響だが、ここで彼女は気付いた。先程からキャロルが妙に静かな事に。

 見るとキャロルは俯いている。一瞬落ち込んでいる様にも見えたが、よく見ると肩が震えていた。それが湧き上がる怒りを押し殺した震えである事に気付くのに時間は掛からなかった。

「明星 颯人……!? 貴様ら、このままでは――」
「…………おい、ジェネシス」
「何だ!?」

 キャロルに対し、見て分かるほどの怒りを露にしたメデューサがメイジを率いて颯人
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