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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第140話:明かされるタネ
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ューサの方は機嫌良さそうに右手の指輪を取り換えた。
「フロンティア事変で大きく減った魔法使い。それをどう補うかで頭を悩ませていた時に、グレムリンがお前の事を教えてくれたよ。キャロル・マールス・ディーンハイム」
「貴様……俺の世界分解の為のレイラインの流れを変えて、自分達の魔法を発動する為に……!?」
ここ最近唐突にジェネシスの動きが静かになったのはそう言う理由だった。キャロルやウィズにバレないように、静かに動き破壊された要石の代わりとなる魔力の流れを変える基点を作り出していたのだ。
それが今、彼女達の足元に広がっている。チフォージュ・シャトーの起動により大規模に魔力が流れ、本来であれば発動できない規模でサバトが行われようとしている。
後はメデューサが発動の為の魔法を使えば、全世界でサバトが発生し一気に全人類が魔法使いへと覚醒する。
メデューサが指輪を嵌めた右手を腰のハンドオーサーの前へと持って行こうとしていた。このままではマズイと響達が前に出ようとするが、奏は1人それを阻んだ。
「待てッ! まだだ……まだ待て」
「待つって、何をッ!?」
「このままじゃ、奏さんッ!?」
「大体あのペテン師はどこに居やがるッ!?」
装者達が騒ぐ中、遂にメデューサが右手をハンドオーサーの前に翳し――――
〈エラー〉
「……は?」
「「「え?」」」
空しく響き渡った魔法不発の音声に、メデューサは言葉を失い響・翼・クリスの3人は目が点になった。透も仮面で顔は隠れているがクリス達と同じ顔をしている事だろう。
だがそれ以上に動揺しているのは言うまでもなくメデューサである。万全を喫して発動した筈の魔法がまさかの不発に終わったのだ。魔力に関しては十分、レイラインの流れを弄る為の楔も不足はない筈。にも拘らず何故サバトが不発に終わったのかがメデューサには分からなかった。
困惑するメデューサの様子にキャロルも怪訝な顔をしていると、新たな声がその場に響き渡った。
「レディース、アンド、ジェントルメーン!!」
自信に溢れる声を高らかに響き渡らせたのは、この場に居なかった颯人であった。彼は何時の間にか奏達の近くのビルの屋上に立っていた。
漸く登場した颯人に奏は安堵の混じった笑みを向けた。奏が向けてくる笑みに、颯人も同じ笑みを返す。
「よ、待たせたな奏」
「遅いぞ、颯人?」
「そう言うなって。結構ベストなタイミングだったろ?」
現れるなり早々に奏と軽口を叩き合う颯人だったが、置いていかれて他の者達からすれば何が何だか分からなかった。
ただそれでも颯人が何かした所為でキャロルの思惑だけでなくメデューサの思惑すらも失敗に終わった事だけは理解できた。
「貴様、明星 颯人
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