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レーヴァティン
第二百七十六話 空への出陣その十一

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「神になぞです」
「勝てないでござる」
「左様ですね」
「ではでござるな」
「はい、ここはです」
「勝たねばならないでござる」
「そして確実にです」
 まさにというのだ。
「勝てます」
「そうでござるな」
「それだけの力がです」
「今の拙者達にはあるでござる」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「ここは落ち着き乱れることなく」
「戦っていくことでござるな」
「敵は多い、しかしだ」
 正は自身の矢に雷を込めて放った、そうして深き者共を普通に攻撃するよりも多く倒しつつ話した。
「限りはある」
「無限のものなんてないよ」
 桜子も落雷の術を連続で放ちつつ言った。
「それこそね」
「それは絶対だ」
「そうよ、確かに次から次に出て来るけれど」
「湧く様にな」
「お水だって無限には湧かないよ」
「何時か限りがある」
「そうよ、百万も倒せば」
 その時はというのだ。
「もうね」
「尽きるな」
「最悪それまで戦えばいいよ」
 深き者共を百万も倒せばというのだ。
「そうしたらね」
「深き者共はいなくなりだ」
「後は神殿に突入すればいいよ」
「そうだ、ではな」
「今はこうして守りを固めて」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「戦おう」
「是非ね」
 こう話してだった。
 人間達は戦っていった、深き者共は確かに強いが。
 見ればだ、実際にだった。
「陣形も連携もない」
「どっちもね」
「一匹一匹は確かに強い」
 幸正は采配を執り自身も術を放ちつつ自分と同じ様にしている淳二に応えた。
「しかしだ」
「それでもね」
「戦術がない」
「武器を持っていても」
「ただ使うだけでだ」
「武芸もないね」
「術を使ってもな」
 見れば結構高位の術を出してきている。
「しかしだ」
「ただ使っているだけで」
「そこには確かな戦略もだ」
「戦術もないね」
「強いが」
 このことは確かでもというのだ。
「やはり本能があまりに強くな」
「知能は高くてもね」
「それを活かしていない」
「全体としてね」
「獣の群れと同じ、いや」 
 幸正は己の考えを訂正した、そのうえで述べた。
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