第二百七十六話 空への出陣その九
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不気味な色と形の石で造られえも言われぬ邪悪な雰囲気に満ちた神殿を見据えてだ、英雄は久志に話した。
「あの神殿にな」
「あそこがだな」
「クトゥルフの神殿だ」
「間違いないな」
「海の匂いがしてだ」
そうしてというのだ。
「それ以上にだ」
「圧倒的でな」
久志もその神殿を見て話した。
「かつ邪悪な」
「そうした気に満ちているな」
「間違いないな」
「あの神殿の奥にだ」
そこにというのだ。
「奴がいる」
「クトゥルフがな」
「そうだ」
こう久志に話した。
「間違いなくな」
「いるな」
「神殿自体からもな」
美奈代もいつもの明るさがない、神殿を眉を顰めさせて見て言った。
「禍々しい気配が発せられていて」
「さらにだ」
「中からとんでもない位邪悪な気を感じるわ」
「その質と量を見るとだ」
「確実や」
美奈代は英雄に答えた。
「あそこにおるわ」
「クトゥルフはな」
「そやからな」
「まずはだ」
「うち等を囲んでる深き者共を倒す」
「そうしてだ」
「神殿まで行くな」
「その様にする、では攻撃をだ」
「本格的に行うな」
「全軍円陣を組むんだ」
久志が命じた。
「それで前に何でもいいから障害物を置いてだ」
「敵を寄せ付けない」
「そうしますか」
「今は」
「ああ、もうそうしてるけれどな」
最初の十万の兵達がそうしていた、自分達の前に空堀を掘りそのうえ柵等を設けて深き者共を寄せ付けまいとしている。
「今以上にな」
「障害物を置き」
「そうしてですね」
「寄せ付けない」
「そうしますね」
「そうしてな、槍を出してな」
柵をや障害物を挟んでというのだ。
「敵が来たら刺してその後ろからだ」
「弓矢や鉄砲や術ですね」
「そうしたもので攻撃を行い」
「砲撃も行う」
「左様ですね」
「そうするんだ、それで深き者共は水属性だからな」
敵のことも調べている、それでこうも言えた。
「わかるな」
「はい、水には雷です」
「雷が効きます」
「特にそれが効きます」
「ではですね」
「雷を主にですね」
「使うんだ、攻撃にも込めてな」
その雷をというのだ。
「攻めるんだ」
「擲弾もだよ」
投げる火薬の兵器もとだ、剛が兵達に話した。
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