第46話:監査
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評議会が犯罪者とつながってるのは
事実なんでしょ?」
「まあね。でも,俺達はあくまで時空管理局の職員であって,
命令には従わなくちゃならない。それはとりもなおさず
上層部のことを絶対的に信じなきゃいけないってことなんだよ」
「うん」
「そういう立場に居るのに非合法な手段まで使って自分の憎しみを晴らそうと
しているんだってことに気づいてさ。最近どうしていいかわかんないんだよ」
「そっか」
「俺,局員やめようかな・・・」
俺がそう言うと,フェイトは車を脇に寄せて停めた。
「本気?」
「半分くらい」
「なんでやめようと思うの?」
「自分のやろうとしていることに自信が持てなくなったから。
自分が自分の欲望のためだけに機動6課のみんなを巻き込もうとしている
と思ったから」
「そっか」
フェイトはそう言うと,黙り込んでしまった。
しばらくの間,車の中を沈黙が支配した。
やがて,フェイトが口を開いた。
「私は,ゲオルグがやっていることが間違いとは思わない。
たぶんはやてもクロノもなのはも騎士カリムも同じだと思う。
だから,あの時ゲオルグを誰も責めなかったんだよ」
「そうかな?」
「そうだよ。だって,あの場でゲオルグを逮捕することだってできたんだよ。
でも,そうせずにゲオルグのやってることを黙認した。
それは,みんながゲオルグのことを認めてくれたからじゃないかな」
「でも,みんなを巻き込んじゃって・・・」
「違うよ。ゲオルグがやったことは重犯罪者のスカリエッティを捕まえるための
情報収集。そのためにちょっとだけ法を踏み越えちゃったけどね」
「ありがと,フェイト」
「どういたしまして」
そう言うとフェイトは車を発進させて隊舎に向けて走らせた。
車窓から見えるクラナガンの夜景がやけに滲んで見えた。
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