第四十六話 海を前にしてその八
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「したら駄目よ」
「相手がいたらですね」
「そうなったらね」
それこそというのだ。
「大変よ」
「だからしたら駄目ですね」
「それで人生も終わるしね」
そうもなるというのだ。
「社会的信用もなくなって」
「会社もクビになりますね」
「そうならなくてもね」
「いられなくなるんですか」
「そうなってね」
実際にというのだ。
「結局辞めて慰謝料もあって」
「大変なことになって」
「冗談抜きで人生がね」
これがというのだ。
「終わるのよ」
「そうなんですね」
「そうなるからしないことよ」
浮気はというのだ。
「本当にね」
「まあ浮気なんてするものじゃないですね」
かな恵もそれはと頷いた。
「本当に」
「そうよ、相手を裏切ることにもなるし」
「悪いことですね」
「法律には問われなくても」
それでもというのだ。
「民事にかかるしね」
「それで離婚や慰謝料や会社辞めたりで」
「そうなってよ」
「人生が終わるから」
「しないことよ」
「それが一番ですね」
「リアルで浮気するなら」
店長はここでこう言った。
「友達でいるけれど二次元よ」
「アニメとかゲームですか」
「漫画とかね、そっちのキャラを好きになって」
そうしてというのだ。
「入れ込んだらいいのよ」
「そうですか」
「二次元だと浮気にならないわよ」
店長は言い切った。
「浮気はこの世界にいる相手とするもので」
「二次元はですか」
「その作品世界では生きていても」
それでもというのだ。
「この世界にはいないから」
「いいんですね」
「そう、お付き合いしてもね」
そうしてもというのだ。
「いいのよ」
「そうですか」
「だからね」
「浮気するなら」
「そうした人とよ」
「お付き合いしたらいいですね」
「そうよ、言われてみたらアニメやゲームで惚れる様なキャラいるでしょ」
店長はかな恵に問うた。
「そうでしょ」
「はい、私もです」
それならとだ、かな恵も頷いた。
「そうしたキャラいます」
「そうしたキャラがいたらね」
「そのキャラを好きになって」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「恋愛したらいいのよ」
「そのキャラと」
「自分の思うままにね」
「何かですね」
一華がまた言ってきた。
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