L8話 Chaos【混沌】の序章
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星々が……全天に煌めく、暖かい草原。まさに神秘的と言うべき幻想郷。
第10次元???移ろいゆくあらゆる並行世界を管理する神と天使【エルロード】のみが入ることを許された場所であり、彼らが生まれた「胎盤」に最も近い場所でもある。
そしてその第10次元…もっと言うと第10.5次元といったところで、ダイヤモンド色の髪をした白き母神の元に小さく可愛らしい女天使がそばに寄る。
「母上様!!」
『あら……どうしたのリエル?』
「さっくんが…私を馬鹿にしてくるの!!あの人を叱ってください!!」
『あら…それは困ったわ???』
彼女…最高神 ハイパーロード/Aqoursはお嬢様結びした長髪を少しかき分け、琥珀の瞳で優しそうに彼女の白ドレスを引っ張る娘の頭を撫でる。
『母は貴方たちに仲良くしてほしい……喧嘩なんてしないで?』
「でもさっくんが……私をバカにするからいけないんです!!」
『リエル…本当のことを言って?』
「え?」
『あなたは本当はサタエルのことが大好きなんでしょう?だから私に叱ってもらうことで彼に構ってもらおうとしてる…母の目は誤魔化せませんよ?』
「それは……」
『同じですよ。あの子もあなたと同じことを考えているわ。』
「え……」
『あなたたちは双子…表裏一体。元を正せば、同じ気持ち……決して嫌いだからあなたを馬鹿にしているのではありませんよ。』
「母上様……」
〜〜〜〜〜
『チェック。』
「バーカ。そっちに気を取られすぎだ???」
今、俺 伊口才???もといハイパーロード/ムテキは目の前の、風呂上がりのままの妻 ハイパーロード/Aqoursと駒を取り合っている。
もう一度言おう。俺は裸体を曝け出した彼女とチェス勝負している。いかにカオスな状況かは理解しているが……
そして……
「……チェックメイト。」
『そ、そんな……ありえないよ!!』
「だから言ったろ?俺にゲームで勝とうなんて無駄だってな。」
『くっ……!』
悔しそうに屈む彼女を、俺は見下すように、口元を緩ませる。別に望んだわけではないが、男性なら誰しも持っていそうな支配欲を満たすような構図となってしまっている。
『くっ……殺せ!』
「はいはい。犯して欲しいと同義語を使うんじゃありません。」
『ちぇっ、バレちゃったか。』
一瞬だけ…ほんの一瞬だけ、誘惑に負けそうだったが、それ以上にゲームに勝った多幸感がそれを掻き消した。
俺はそんな彼女を後にその豪邸を後にする……
と、俺が来ていたスーツの裾を引っ張られる。
『1つ、忠告して忘れてたよ。』
「あ?」
『【あの子たち】は…私があなたに
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