L8話 Chaos【混沌】の序章
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無理矢理犯された時に生まれた子どもたち。私が抱いたぐちゃぐちゃな感情があの子たちに流れ込んでる???怒り、喜び、哀しみ、恐怖、やるせなさ、無常さ。同時にあなたの強烈な自我が受け継がれて……繊細なのを忘れずにね。』
「???忘れてたの半分。気にしてねぇのが半分だな。」
そうか……そんなこともあったか。一度、彼女の妖艶さに負けて獣になったことも。別に後悔も反省もしていないが。
しかし、その事実は俺が奴らに為させようとしていることの障害となろう。
「全く……世話の焼ける奴らだ。」
????※????
「はぁっ…はぁっ……!」
健気な少女たちの吐息が春の陽気を彩る。何か変態的なことを言っているが、何も深い意味はない。飾り気なく言ってしまうと、かのん・可可が千砂都の指導のもと走っているだけである。
そしてそんな彼女らを見守る……獰猛な者たち2人。
1人???天羽速人が、その片割れである中川那由多の頭をパシッと叩く。
「痛っ!……何すんだよ!」
「変な目であいつらを見るな汚れる。」
「見てねぇよ!そういうお前こそ見てんじゃねぇのか!!」
「そういうところが不審者っぽいって言ったんだよ。」
「んだとぉ…!?」
実際、那由多は迷いある目で明後日の方向を見ていたが???別にかのんたちにいやらしい視線を向けていたのではない。
むしろ向けていたのは速人の方だろう。彼はその金色の瞳で、心を覗こうと……これを邪と言わずして何という。
深淵まで覗かない方がよかった者もいるだろうに???
速人は目を強張らせて、何か考え込むように口元を隠す。それを見た那由多はすかさず事情を尋ねてくる。
「どうしたんだ?」
「いや……頭の中で作詞のアイデアを考えてた。」
「師匠にやらされたんだってな……大丈夫なのか?」
「大丈夫とか??そんな次元じゃねぇよ。」
「あ?」
少し斜め上の答え方をした速人に那由多は思わず、疑問と頓狂を孕んだ声が出てしまう。
「俺はやる???たとえ今できないことでも絶対にやる……アイツのためなら???そう誓ったから。」
「速人??お前……」
那由多は口を閉ざしてしまう。その理由は羨望。速人にあって自分には確定していないモノ……それ故に。
そんなところで???辺りを何周か走ったかのんたちが速人らがもたれる樹の下へ辿り着く。
早速、可可が夕日が映す日陰へとダイブ。断末魔のような低い声が響く。
「はぁ……はぁ…ああああ……」
「可可ちゃん、だいぶ走れるようになったんじゃない?」
「まだまだ…イケる……デス???」
「よーし!じゃあ次は体幹トレーニングを……」
「いやいや絶対行
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