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おっちょこちょいのかよちゃん
255 戦の中の祝言
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・。杖が強くなったなら私よりも上手く使いこなせるはずだわ・・・!!)

 こちら紂王の屋敷。藤木は緊張していた。婚礼衣装の着付けを奉仕係の遊女に手伝って貰っていた。
(僕はりえちゃんと一緒なんだ・・・)
「茂様、顔がにやけていますね」
「え、あ、その・・・」
 藤木は言い訳が浮かばなかった。
「解りますよ。今日は大事な日ですからね。最高の祝言にしましょうね」
 遊女はそのまま笑っていた。
「う、うん、そうだね!」
 そして婚礼衣装の着衣が完了した。深紅の礼服だった。自分がよく知る西洋式のタキシードとか和式の袴姿とはまた違うので新しさや違和感をも藤木はまた感じていた。

 一方、同じく別室で婚礼衣装の着付けを遊女に手伝って貰っていたりえはこの日も落ち着きがなかった。祝言とはまた異なる胸騒ぎだった。何しろ自分は藤木との祝言を挙げる気は微塵にもない。
(藤木君と結婚なんて・・・。そんな・・・!!)
 りえは藤木の事も「(一応ではあるが)友達の一人」ではあった。だが恋愛だのそこまでの好意とまではいってはいない。
「茂様は大層お楽しみにしておりますよ」
 それまで無言だった遊女が話しかけた。
「貴女は茂様とは以前にもお会いしているとお聞きしていますが、あまり好みではないのですか?」
「そうとも言い切れないけど・・・」
「まあ、結ばれてみればあの方のいい所も見えてきますよ」
「・・・」
 りえは無言だった。
(いい所・・・でも、私が何とかさせないと、藤木君は戻りたがらないはず・・・)
 りえは不毛な対立は避けたいと思うものの、どうすれば藤木を自分達の方へ引き入れるか悩み続けていた。また、それ以上に大事な杯が一体どこにあるのかでそわそわしていたのだった。

 一人の男が紂王の屋敷へと入っていた。
「レーニンだ。紂王はいるか」
「はい、暫しお待ちを」
 番兵が紂王を呼びに向かう。
「おお、レーニンか」
「この日は私と同化する少年の意向もあり、祝言に参加させて頂く。ところで例の杯は貴様の方で保管しているのか?」
「はい」
 紂王はレーニンを案内した。そこは地下室だった。レーニンの中に宿る杉山は確認した。
(ここにりえの杯があるのか・・・)
「どうなされる、つもりかね?」
「今は貴様らに任せておこう。だが一つ、やっておきたい事がある」
 レーニンは杯に手をかざす。
「これで杯の能力(ちから)は吸収させて貰った」
 戦争を正義とする世界の長は剣に続いて杯の能力(ちから)を吸収した。これにより世界最上位のアイテム二つの能力(ちから)を手にした事になる。
「では、会場に案内してくれ」
「了解」
 祝言の会場へ二人は進む。

 来賓が次々と訪れていた。遊女が受付係を行う。
「ようこそお越しくださいま
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