254 七色の泉と杖の新生
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ようと動いていた三河口はかよ子の報告を受けた。
「・・・冬田さん、反対の方向へ羽根を飛ばせ」
「え、ええ!?」
「かよちゃんは杖を取り返した。もうこっちへ行く必要はない。杯を取り返しに行く」
「で、でもお・・・」
(大野君に、一目でも会いたかったのにい・・・)
「また大野君か?」
「あ、う・・・」
冬田は心の中を見抜かれた。
「は、はあい・・・」
三河口に睨まれて冬田は羽根を方向転換させた。
(全く世話の焼けるおっちょこちょいだ・・・)
かよ子達は七つの泉の地で夕食としていた。昼を抜いて戦っていた為か食欲が溢れていた。
「はは、大勝利の後の食事はさぞ美味しいようね」
クイーン・ベスはかよ子の食べっぷりに感心していた。
「でもハンバーグとプリンだったら良かったなあ・・・」
まる子は文句をこぼした。この日は酢豚と卵スープ、そして温野菜サラダに杏仁豆腐といった献立だった。
「嫌なら食わねばよかろう」
石松が窘めた。
「は、はあい・・・」
その一方、かよ子はご飯のお代わりを三杯していた。が、食べ終わるとかよ子は恥ずかしく思った。
(もしここに杉山君がいたら食いしん坊な子だって思われたかな・・・?)
かよ子はふと好きな男子の事が頭に浮かぶのだった。
その一方、レーニンはヴィクトリアの死亡の報告を受けていた。
「ヴィクトリアが倒され、杖を奪い返されたか・・・」
「杖を俺の時のように吸収しようと思ってたのか?」
杉山が聞く。
「そうだ、貴様が祝言に現を抜かそうとするから機会を逃したではないか」
レーニンは同化した少年を叱責した。
「ああ、ワリイな。だが、あいつらを見届けてえし、紂王か妲己とかが杯を持っている筈だぜ。まずは杯の吸収だ。杖と護符はそれからでもいいぜ」
「全く・・・」
そしてレーニンと杉山は翌日、紂王の屋敷へと向かうのだった。
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