第二部 1978年
影の政府
魔都ニューヨーク その3
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など自在に出来るのだ。
生老病死に加え、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦。
世のあらゆる四苦八苦を、この天のゼオライマーを持って超越した、存在。
それがこの俺よ。ハハハハハ」
と、周囲を囲む者たちに、満面の笑みを見せつける。
マサキは一瞬目を動かすと、彼等を連れて来た時計屋は、いつの間にか、消えていたことに気付いた。
どうやら、FBIの工作員だったようだ。
『帰ったら、FBIの奴等も血祭りにあげてやろう』
一人、そう心の中で、誓うのであった。
青筋を太らせた指導者は、懐中より、コルト・ピースメーカーを取り出すと、
「丸腰の此奴らの戯言に付き合ってる暇があるか。では木原よ。そのマシンを呼んで見せよ。
神でもないのに、その様な事が出来る筈が有るまい」と、マサキに向ける。
マサキは、眉間に拳銃を突き付けられるも、
「良かろう。貴様等が、お望みの物を出してやろう」と、不敵の笑みを湛え、
「美久、ゼオライマーを呼び出せ」
と、きつく縄で縛められた美久に向かって、大声で叫んだ。
その刹那、美久がまばゆい光に包まれると、轟音と共に部屋全体が揺れ、屋根や天井が崩れ去る。
瞬く間に、面前に一体の巨人が現れ、周囲の物を仰天させた。
マサキは、彼をねじり上げた男達を振りほどくと、ゼオライマーに目掛けて、走る。
駆けこんだマサキの体を光球が包み込むと、そのままコックピットに移動する。
操縦席に座った彼は、韋駄天走りで、脱出しようとする件の男を逃がさなかった。
即座に右手で掴むや、両掌でねじり、レモンの様に絞ってしまった。
そして休む間もなく、目標座標にメイオウ攻撃を発射した。
建物に居た全ての者が、ゼオライマーの必殺の一撃の下、消え去った。
ビバリーヒルズに正体不明の大型機出現の報を受けたロス市長は、市警スワット隊に、出撃命令を出す。
秘密任務の為、カリフォルニア州には知らされていなかったため、ロス市より要請を受けた知事は、緊急発進を掛ける。
ロス近郊のトラビス空軍基地滑走路から、F-4ファントムの1個小隊4機が、即座に空に上げられた。
しかし、ロス市警スワット隊が現場に着いた時にはすでに遅かった。
例の正体不明機は忽然と消え、廃墟が残るのみであった。
こうして暮夜ひそかに、ロサンゼルスにあった恭順派は、拠点と信者を含め、全て消滅した。
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