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おぢばにおかえり
第七十二話 キャンバスライフその三十

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「だから最後まで諦めないで」
「根気よくですね」
「やっていくことよ」
「それが大事ですね」
「それがいんねんを切ることにもなるし」
 悪いいんねん、黒いんねんをです。
「それであらためて白いんねんをね」
「作っていきますね」
「どうも新一君はお家のいんねんが強いから」
 お話を聞くとです。
「父方のお祖母さんや叔父さんのことといい」
「二つの家のいんねんがありますね」
「そうなの」
「もう一人のお祖母ちゃんと」
 三人のお祖母さんの中に入れていないことは明らかでした、もうここに癖性分といんねんが出ていました。
「父方のお祖父ちゃんの家のいんねんが」
「二つなのね」
「ありまして」
「二つのお家のいんねんね」
「何でも父方のひいお祖父ちゃんが酒乱で」
 いきなりいんねんでした。
「それで揉めごとが絶えなくて」
「ひいお祖父さんからなの」
「どうも問題のあった人らしくて」
 新一君は微妙なお顔になってお話してくれました。
「目がかなり弱くてそれで劣等感があって」
「それでなの」
「はい、按摩していたらしいんですが」
「お仕事はしてらしたのね」
「みたいですけれど」
「家庭ではだったのね」
「本当に問題のある人で」
 それでというのです。
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