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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第十一話 もう一人の魔法少女   ★
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このっ!!」

 赤い狼が俺に飛び掛かるが、モーションが大きすぎる。
 右手を突き出し

獣束の足枷(グレイプニル)
「なっ!」

 投影した光輝く紐が赤い狼に絡みつき、動きを封じる。
 拘束宝具、獣束の足枷(グレイプニル)
 北欧神話に登場するフェンリルを捕縛した足枷、または魔法の紐といわれ、幻想種なども拘束できる最高クラスの拘束宝具。

 もっともこれは本来ならばという条件がつく。
 何せ俺の属性は剣。
 鎖や武器ならばまだしもグレイプニルは神々が造った紐である。
 いくら俺の投影が特殊とはいえ投影しきれるものではなく、かなりランクが落ちてしまう。
 もっとも投影してランクが落ちたとはいえ魔獣クラスなら十分拘束できる。
 だが、幻想種になるとさすがに拘束するのも不可能である。

 こうして見る限りグレイプニルの効果は十分に発揮されている。
 もう一つ、彼女達に俺を警戒させるためにも宝具を使わせて貰おう。

「アルフっ! アークセイバー!!」

 飛んでくる金色の刃。
 グレイプニルは完全に赤い狼の動きを封じているので手を離し、赤い槍を投影し薙ぐ。
 赤き刃に触れると金色の刃は霧散した。

「そんな……」

 フェイトが驚くのも無理はない。
 俺が握っている赤い槍は破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)
 魔力をかき消す魔槍である。

 どうやらこちらの魔術というか宝具の概念もちゃんと通用するようである。
 いや、それどころか投影品にもかかわらず劣化がないと言っても過言ではない。
 それにいつもより宝具の投影の負荷が少ない。
 これはどういうことだ?
 いや、考えるのは後にしよう。

「死にたくなければ邪魔をするな」

 警戒するフェイトに背を向けて、倒れている巨大な猫の方に歩み寄る。
 その途中でなのはと目があった。
 だが今ここで語ることはないもない。
 ゲイ・ジャルグで猫に触れるが宝石は取り出せない。

 なるほど。
 どうやら猫と契約した状態のようだ。
 これではゲイ・ジャルグでは手に負えない。
 仕方がないが、もう一つ宝具を使うとしよう。

「―――投影、開始(トレース・オン)

 左手の干将を投げ捨て、代わりに手に握るのは紫に鈍く光る歪な短刀。
 それを

破戒すべき全ての苻(ルールブレイカー)

 猫を可能な限り傷つけないように皮一枚で突き立てる。
 すると光を放ち、猫は元の大きさにもどり、宝石が浮かぶ。

「そんな……」

 ユーノの驚いた声が聞こえるが無視する。
 ゲイ・ジャルグを地面に突き立て、マルティーンの聖骸布を投影し、包み込む。
 完全とは言い難いかもしれないが、マルティーンの聖骸布なら
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