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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第十一話 もう一人の魔法少女   ★
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なるしな。
 魔力殺しのアミュレットを外して

「―――投影、開始(トレース・オン)

 魔術回路を二十本起動させてながら黒鍵を片手に一本づつ、計二本投影する。
 故意に魔力を放出させて俺の存在に気付かせる。
 そして、なのはと黒の少女に向かって投擲する。
 もっとも仮に防御しなくてもギリギリ当たらないように投擲している。
 なのはも黒の少女も突然の魔力に反応出来ていない。
 そんな中でも二人を守るものが存在する。

「なのはっ!」
「フェイト!」

 なのはを守ったのはユーノ。
 黒の少女を守ったのは赤い狼。
 赤い狼はしゃべった上にフェイトと呼んでいたことからそれが彼女の名前だろう。
 それにしても使い魔がしゃべるのもこの世界では当たり前なのか?
 そんな事を思いつつ、二人と二匹の前に姿を現す。

「一対一の戦いの中で申し訳ないが邪魔をさせてもらうぞ」

 俺の姿を見るやフェイトと赤い狼はこちらを警戒する。
 なのはは俺の登場に戸惑っているようだ。

「貴方、誰ですか?」
「尋ねる前に自分で名乗るのが礼儀だろう?
 それにあのジュエルシードといったか、あれに少し興味があってな、もらい受けに来た」

 俺の言葉にフェイトが腰を落とし踏み込めるように構え、狼は唸り声をあげる。
 本音を言えば興味はほとんどないのだが、猫や樹が巨大化したことといい気にはなるのは事実。
 剣の類にではないのでどこまで解析できるかわからないが、調べる必要はあると判断したためだ。

 あとわざわざ出てきて戦闘を行う状況にしたのは、この世界の魔術師に俺がいた元いた世界の武器が通じるか試すためでもある。

 先日の恭也さんとの手合わせで接近戦での間合いの修正などは出来ているが、投影した武器の概念が通用するのかがわかっていない。
 本当なら無駄な戦闘は避けたいのが本音だが、通用するかわからない状態では戦術もたてられない。

「そうはいきません。バルディッシュ」
「Yes sir. Scythe form. Set up.」

 フェイトの言葉と共に杖が応え、杖が再び鎌に変化する。
 喋る杖とはますますあの忌まわしいマジカルステッキを思い出すが、性格はかなりまともだ。
 もっともあんな奴だったら躊躇なく破壊するが。

 フェイトが一気に踏み込んでくる。
 直接相手にするとかなりの速さだ。
 だが

「遅い」

 瞬時に左手に干将を投影し、鎌を逸らし、本気でないにしろ腹部に蹴りを放つ。

「くっ!」

 咄嗟に腕で防御するもフェイトは地面を滑っていく。
 妙な手応えだ。
 あのマントなどは防護服の類かと思ったが、服を纏っていない腕にも何らかの守りを纏っているようだ。


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