第一話
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子先生が元気のよい声で宣言する。
「ルールは簡単よ。いい? 先生これから品川の先にあるヤクザ事務所に殴り込みに行くから、全員ついてくるように。もし遅れたら早朝の教室掃除だからね」
………………………………え?
一瞬、三年梅組の全員が言葉を失った。今、何て言った? ヤクザの事務所に殴り込みに行くだって?
「教師オリオトライ」
沈黙を破って質問したのはクラスメイトであり生徒会会計のシロジロ・ベルトーニだ。
「体育とチンピラとどのような関係が? ……金、ですか?」
「ほらシロくん。先生最近地上げで最下層行きになって、ビール飲んで暴れて壁割って、教員課にマジ叱られたから」
シロジロの疑問に答えたのは会計補佐のハイディ・オーゲザヴァラー。彼女はシロジロの公私とものパートナーで、キャスターが言うには「自分にかなり近い女」らしい。
「中盤以降は全部自業自得のようだが報復ですか?」
「報復じゃないわよー。ただ腹立つから仕返しするだけ」
『それを報復って言うんだよ!』
シロジロに笑って答えるオリオトライ先生に梅組のほとんどの生徒が異口同音のツッコミをいれる。だがオリオトライ先生はそれを軽く流す。
「まぁ、そんなのどうでもいいのよ。いいからちょっと死んだ気でついてきなさい。……事務所までに攻撃を当てることができたら出席点を五点プラス。意味分かる? 朝の一限を五回サボれるのよ」
『………!』
今のオリオトライ先生の言葉で梅組全員の戦意が一気に上がったのが分かった。
「先生。攻撃を『通す』ではなく『当てる』でいいので御座るな?」
総長連合・第一特務の点蔵・クロスユナイトが質問する。うん、いい質問だ。攻撃をヒットさせてダメージを与える『通す』と、ただ攻撃をヒットさせる『当てる』では難易度が段違いだからな。
「戦闘系は細かいわね。それでいいわよ。手段も構わないわ」
「で、ではどこか触ったり揉んだりしたら減点されることあり申すか?」
オリオトライ先生の「当てる」でOK宣言が出ると、点蔵の奴いきなりセクハラ質問をしだした。……点蔵ってば、腕は良いのに何でそうすぐにエロに走るかな?
「もしくはボーナスポイントが出るような……」
「そこまでにしなよ、点蔵」
俺が点蔵を止めるとオリオトライ先生は額に青筋を浮かべた笑顔で点蔵を睨む。
「あはは……。運が良かったわね、点蔵? 北斗が止めなかったら授業を始める前にぶっ殺してたわよ?」
「ひいっ!?」
オリオトライ先生の殺気を直に受けて点蔵が身をすくませる。全くだから言ったのに……。
そして俺を初めとした梅組の皆が点蔵を見て呆れた表情を浮かべていると……、
「んじゃ」
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