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ドリトル先生とタキタロウ
第三幕その一

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                第三幕  いざ東北へ
 東北に出発する日が来ました、先生は動物の皆と一緒に出発の準備を整えてお家を後にしようとしますが。
 トミーは王子と一緒に先生を見送って言いました。
「留守は任せて下さい」
「うん、頼むよ」
「お掃除はちゃんとしていますので」
「そうしてだね」
「先生が帰られたら」
 お家にです。
「笑顔でお迎えします」
「その時も楽しみだよ」
「それでは行って来て下さい」
「先生楽しんできてね」
 王子も先生に言います。
「そうしてきてね」
「うん、是非ね」
「そしてタキタロウもね」
 先生が今とても関心を持っているこのお魚もというのです。
「学んでね」
「是非そうさせてもらうよ」
 先生は満面の笑顔で応えました。
「是非ね」
「そういうことでね」
「では行って来るよ」
 先生はお家の玄関で見送ってくれたトミーと王子に動物の皆と一緒に手を振って一時のお別れをしました。
 そしてこの時皇子の執事さんが先生に言いました。
「先生、日笠さんへのお土産はです」
「はい、皆さんの分もです」
「いえ、私共はいいのです」
 執事さんは先生に畏まってお話しました。
「それよりもです」
「日笠さんにはですか」
「くれぐれも忘れないで下さい」
「お土産を送るのですね」
「そうして下さい」
「そうそう先生、僕達のことは忘れていいけれど」
 王子も言いました。
「日笠さんについてはだよ」
「忘れては駄目なんだね」
「そうだよ」
 このことはというのです。
「くれぐれもね」
「忘れたら駄目なんだね」
「うん、日笠さんにだけはね」
「ううん、もうおお土産は何を買って誰に送るか決めているからね」 
 先生は右手をご自身の顎に当てて考えるお顔になって答えました。
「メモも取っているしね」
「忘れないっていうんだね」
「そうするよ」
「そのことはいいけれどね」
「それでもなんだね」
「日笠さんのことは絶対にだよ」
 王子は念を押して言いました。
「忘れないでね」
「そうするよ」
「それじゃあ行って来てね」
 お土産のお話もしてでした。
 先生は動物の皆と一緒に水族館のスタッフの人達と合流してそのうえで東北に向かいました。神戸の空港から飛行機で一気にです。
 まずは仙台に着きました、先生は飛行機から降りると動物の皆にお話しました。
「今日はこの仙台でだよ」
「一日過ごすんだ」
「そうするんだね」
「うん、そしてね」
 そのうえでというのです。
「明日山形に向かうんだ」
「大鳥池にだね」
「そうするのね」
「明日行くんだね」
「そうだよ、今日は史跡研修なんだ」
 それを行うというのです。
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